“おいかけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.4%
11.1%
老懸11.1%
老掛11.1%
追掛11.1%
追駆11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方は、背にえびらを負い、弓をもち、左大臣の扮装をした興世王である。もう一人は、不死人で、これも、おいかけを付けた冠に、右大臣の装束をつけ、太刀を佩いて、を長く曳いていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寵姫は、叫ぼうとしたが、じっとこらえて、その武将のかんむりおいかけをいきなりむしりとって、荘王の側へ逃げて行った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これからは、さらに、無礼講として飲み明かそう。みんな冠のおいかけを取れ」と、命じた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくてあるべきにあらざれば下宿へ還って『用捨箱ようしゃばこ』をひもとくと「鍋取公家なべとりくげというは卑しめていうにはあらず、老懸おいかけを掛けたるをいえるなり、老懸を俗に鍋取また釜取かまとりともいう」
螺鈿らでん細太刀ほそだちに紺地の水の紋の平緒ひらをを下げ、白綾しらあや水干すゐかん櫻萌黄さくらもえぎに山吹色の下襲したがさね、背には胡籙やなぐひきて老掛おいかけを懸け、露のまゝなる櫻かざして立たれたる四位の少將維盛これもり卿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
追掛おいかけられて逃途にげどがないが、山之助年は十七で身が軽いから、谷間たにあいでも何でも足掛りのある処へ無茶苦茶に逃げ、蔦蘿つたかずらなどに手を掛けて、ちょい/\/\/\と逃げる。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小山の妻君が笑い出し「お登和さんが洋行なさればお代さんも負けない気になって洋行するというかもしれません。お代さんに西洋まで追駆おいかけられては大原さんもお困りでしょうね」大原「それこそ大迷惑」と談笑の声高かりけるに小山の妻君フト耳を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)