“すぢ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スヂ
語句割合
50.5%
13.9%
12.9%
8.9%
線條2.0%
2.0%
脚色1.0%
正当筋1.0%
皺溝1.0%
直線1.0%
稜線1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
脈絡1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれどわたし如何どういふものか、それさはつてすこしもなく、たゞはじ喰出はみだした、一すぢ背負揚しよいあげ、それがわたし不安ふあん中心点ちうしんてんであつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
夜更よふけの事とてたれも知らず、あしたになりて見着みつけたる、お春の身体からだは冷たかりき、蜘蛛のへりし跡やらむ、縄にてくびりし如く青きすぢをぞゑがきし。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
頭上の剃痕ていこんは断続してゐて、残す所の毛が文様をなし、三条のすぢ蝙蝠かはほりの形とが明に認められたからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして、太陽は、かくれたる所から、水のやうな光線ので以つて、空をすぢづけてゐた。彼女は、ゆきくれた旅人のやうな、たよりなさを感じた。
幸福への道 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
ものうげな雨の線條すぢ
メランコリア (旧字旧仮名) / 三富朽葉(著)
すぢびよめきて、またゆる
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
なるほど脚色すぢだけは口でいつても言はれますが、読んだおもしろ味は話されません。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
脚色すぢだけ話をするとなると、こんな煩さい事はないのですから、自分もまた其様そんな物を読むと云ふ智慧はない時分で、始終絵ばかりを見て居たものですから、薄葉うすえふを買つて貰つて、口絵だの
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひょっとすると正当筋すぢ違いに動いているのかとその方へ探りかけてみると、例の珊瑚王の山木の伜が、犬居仁平の養子の印東忠介とツルんで
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
少しはぢてや首をを揉みながら、自己おのれが発頭人なるに是非なく、有し次第を我田に水引き/\申し出れば、痩せ皺びたる顔に深く長くいたる法令の皺溝すぢをひとしほ深めて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しばしも待たぬ心はつるをはなれし矢の樣に一直線すぢにはしりて此まゝの御暇ごひを佐助に通じてお蘭さまにと申上れば、てもさてもと驚かれて、鏡を見たまへ未だ其顏色いろにて何處へ行かんとぞ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白磁はくじの八角の壺の稜線すぢ引きてほの上光うはひかるみ冬なるなり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すぢをたださば、こは刹利せつり
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
拇指の腸處わたどころの細紋が見え、指の木賊條とくさすぢの縱のほそいのが見え、漸く指頭の渦卷や流れすぢの見ゆるに至るまで、次第次第に夜が明け放るゝに及び、やがて日がさし昇るに及ぶ
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
闃然げきぜんたる午時ひるどきの街を行く人は、すぢの如き陰影を求めて夏日の烈しきをかこつといへども、これをこの火の海にたゞよひ、硫黄氣ある毒燄を呼吸し、幾萬とも知られぬ惡蟲に膚を噛まるゝものに比ぶれば
ちゞみの糸四十すぢ一升ひとよみといふ。上々のちゞみは経糸たていと二十よみより二十三よみにもいたる。但しをさには二すぢづゝとほすゆゑ、一升の糸は八十すぢ也。布幅ぬのはゞ四方に緯糸よこいともこれにしたがふてあはせざれば地をなさず。
子なり、脈絡すぢく、忘るゝ暇もあらばこそ、昼は心を澄まして御仏につかへまつれど、夜の夢はむすめのことならぬ折も無し、若し其儘にさしおいて哀しき終を余所〻〻しく見ねばならずと定まらば
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)