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筋
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すぢ
ふりがな文庫
“
筋
(
すぢ
)” の例文
御酒
(
ごしゆ
)
をめし
上
(
あが
)
つたからとて
快
(
こゝろよく
)
くお
醉
(
ゑ
)
ひになるのではなく、いつも
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
何時
(
いつ
)
も
額際
(
ひたひぎは
)
に
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
顯
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれど
私
(
わたし
)
は
如何
(
どう
)
いふものか、
其
(
それ
)
に
触
(
さは
)
つて
見
(
み
)
る
気
(
き
)
は
少
(
すこ
)
しもなく、
唯
(
たゞ
)
端
(
はじ
)
の
喰出
(
はみだ
)
した、一
筋
(
すぢ
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
、それが
私
(
わたし
)
の
不安
(
ふあん
)
の
中心点
(
ちうしんてん
)
であつた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ために
黒
(
くろ
)
さに
艶
(
つや
)
を
増
(
ま
)
した
烏帽子岩
(
えぼしいは
)
を
頭
(
あたま
)
に、
尾
(
を
)
を、いまの
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
の
波
(
なみ
)
にして、一
筋
(
すぢ
)
。
御占場
(
おうらなひば
)
の
方
(
はう
)
を
尾
(
を
)
に、
烏帽子岩
(
えぼしいは
)
に
向
(
むか
)
つて、一
筋
(
すぢ
)
。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
芝居を見るには夫で沢山だと考へて、
唐
(
から
)
めいた装束や背景を眺めてゐた。然し
筋
(
すぢ
)
はちつとも
解
(
わか
)
らなかつた。其うち幕になつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
上
(
あげ
)
よと云ければ
和吉
(
わきち
)
は番茶を
茶碗
(
ちやわん
)
に
汲
(
く
)
みイザと計りに進めけり
發時
(
そのとき
)
主個
(
あるじ
)
は此方に向ひ御用の
筋
(
すぢ
)
は如何なる品と問へば元益
茶碗
(
ちやわん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
は
過激
(
くわげき
)
な
勞働
(
らうどう
)
から
俗
(
ぞく
)
にそら手というて
手
(
て
)
の
筋
(
すぢ
)
が
痛
(
いた
)
んだので二三
日
(
にち
)
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
られなかつた。それから六七
日
(
にち
)
たつて
烈
(
はげ
)
しい
西風
(
にしかぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
芳太郎といふ
筋
(
すぢ
)
のよくないので評判の錺屋に入つて聞くと、始めは何んにもいひませんでしたが、十手を見せて脅かした末、たうとう白状させましたよ。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
汝かたく信ずべし、たとひこの焔の腹の中に
千年
(
ちとせ
)
の長き間立つとも汝は一
筋
(
すぢ
)
の髮をも失はじ 二五—二七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
私
(
わたし
)
の通された
室
(
へや
)
は、奥の風通しの
好
(
い
)
い二階であつた。八畳の座敷に六畳の副室があつた。
衣桁
(
えかう
)
には手拭が一
筋
(
すぢ
)
風に吹かれて、
拙
(
まづ
)
い
山水
(
さんすゐ
)
の
幅
(
ふく
)
が床の間に
懸
(
か
)
けられてあつた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
手の
筋
(
すぢ
)
を
相
(
さう
)
する男も参り、英国の紳士達の前に片膝立てつついみじき
占
(
うらなひ
)
を致すさまも見え申し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
昔は少し泳げたのだが、狸も三十七になると、あちこちの
筋
(
すぢ
)
が固くなつて、とても泳げやしないのだ。白状する。おれは三十七なんだ。お前とは實際、としが違ひすぎるのだ。
お伽草紙
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
これは
水揚
(
みづあがり
)
せざる
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
どもこゝに
馳
(
はせ
)
あつまりて、川
筋
(
すぢ
)
を
開
(
ひら
)
き水を
落
(
おと
)
さんとする也。
闇夜
(
あんや
)
にてすがたは見えねど、
女
(
をんな
)
童
(
わらべ
)
の
泣叫
(
なきさけ
)
ぶ
声
(
こゑ
)
或
(
あるひ
)
は
遠
(
とほ
)
く或は
近
(
ちか
)
く、
聞
(
きく
)
もあはれのありさま也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
マーキュ
何人
(
なんにん
)
? いや、
足下
(
おぬし
)
のやうなのが
二人
(
ふたり
)
とゐたら、
忽
(
たちま
)
ち
殺
(
ころ
)
しあうてしまはうから、
二人
(
ふたり
)
ともゐなくならう。はて、
足下
(
おぬし
)
なぞは
髭
(
ひげ
)
の
毛
(
け
)
一
筋
(
すぢ
)
の
多
(
おほ
)
い
少
(
すく
)
ないが
原
(
もと
)
でも
叩
(
たゝ
)
き
合
(
あ
)
ふ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
といふお
話
(
はな
)
しを考へました、
是
(
これ
)
は
昔風
(
むかしふう
)
の
獣物
(
けもの
)
が
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
くといふお話の
筋
(
すぢ
)
でございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
頃
(
ころ
)
、それが
賭博
(
とばく
)
との
疑
(
うたが
)
ひを
受
(
う
)
けて、
或
(
あ
)
る
晩
(
ばん
)
一
同
(
どう
)
がその
筋
(
すぢ
)
から
取
(
と
)
り
調
(
しら
)
べを
受
(
う
)
けるやうな
事件
(
じけん
)
が
持
(
も
)
ち
上
(
あが
)
つたが、
取
(
と
)
り
調
(
しら
)
べる
側
(
がは
)
がその
技法
(
ぎはふ
)
を
知
(
し
)
らないので
誰
(
だれ
)
かが
滔滔
(
たうたう
)
と
講釋
(
かうしやく
)
をはじめ
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
江戸
(
えど
)
の
町醫者
(
まちいしや
)
小田東叡
(
をだとうえい
)
(
安政
(
あんせい
)
二
年
(
ねん
)
十二
月
(
ぐわつ
)
出版
(
しゆつぱん
)
、
防火策圖解
(
ばうくわさくづかい
)
)なるものか
壁
(
かべ
)
に
筋
(
すぢ
)
かひを
入
(
い
)
れることを
唱道
(
しやうだう
)
した
位
(
くらゐ
)
のことでそれ
以前
(
いぜん
)
に
別
(
べつ
)
に
耐震的工夫
(
たいしんてきくふう
)
の
提案
(
ていあん
)
されたことは
聞
(
き
)
かぬのである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
筋
(
すぢ
)
は
日本
(
につぽん
)
の
美
(
うる
)
はしき
乙女
(
おとめ
)
の
舞衣
(
まひぎぬ
)
の
姿
(
すがた
)
が、
月夜
(
げつや
)
にセイヌ
河
(
かは
)
の
水上
(
みなか
)
に
彷徨
(
さまよ
)
ふて
居
(
を
)
るといふ、
極
(
きは
)
めて
優美
(
ゆうび
)
な、また
極
(
きは
)
めて
巧妙
(
こうめう
)
な
名曲
(
めいきよく
)
の
一節
(
ひとふし
)
、一
句
(
く
)
は一
句
(
く
)
より
華
(
はなや
)
かに、一
段
(
だん
)
は一
段
(
だん
)
よりおもしろく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
再
(
ふたゝ
)
び
火山脈
(
かざんみやく
)
を
辿
(
たど
)
つてみると、それが
地震
(
ぢしん
)
の
起
(
おこ
)
る
筋
(
すぢ
)
、
即
(
すなは
)
ち
地震帶
(
ぢしんたい
)
と
一致
(
いつち
)
し、
或
(
あるひ
)
は
相
(
あひ
)
竝行
(
へいこう
)
してゐる
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
く
認
(
みと
)
められる。
然
(
しか
)
しながら
火山脈
(
かざんみやく
)
を
伴
(
ともな
)
つてゐない
地震帶
(
ぢしんたい
)
も
多數
(
たすう
)
あることを
忘
(
わす
)
れてはならない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
例
(
れい
)
の
額
(
ひたひ
)
の
筋
(
すぢ
)
をピク/\と
動
(
うご
)
かしつゝ
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
行啓
(
おなり
)
のまへ消防隊の
朱
(
しゆ
)
の
筋
(
すぢ
)
が並んで見てるたんばこの花
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
生れたり、
刺違
(
さしちがへ
)
たり、まるで
筋
(
すぢ
)
が立つてゐない。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
何だか膸のあたりが
筋
(
すぢ
)
をひいて痛み出した。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
全身の
筋
(
すぢ
)
のはちきれるやうな
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
擧
(
あが
)
れる
筋
(
すぢ
)
怒
(
いか
)
れる
肉
(
しゝ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
黒雲二た
筋
(
すぢ
)
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
げにも
浮世
(
うきよ
)
か
音曲
(
おんぎよく
)
の
師匠
(
ししやう
)
の
許
(
もと
)
に
然
(
しか
)
るべき
曾
(
くわい
)
の
催
(
もよほ
)
し
斷
(
ことわ
)
りいはれぬ
筋
(
すぢ
)
ならねどつらきものは
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
是非
(
ぜひ
)
と
待
(
ま
)
たれて
此日
(
このひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
より
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見
(
み
)
よ!
見
(
み
)
よ!
巌
(
いは
)
の
面
(
めん
)
は
滑
(
なめら
)
かに、
質
(
しつ
)
の
青
(
あを
)
い
艶
(
つや
)
を
刻
(
きざ
)
んで、
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
を
映
(
うつ
)
したれば、
恰
(
あたか
)
も
紫
(
むらさき
)
の
筋
(
すぢ
)
を
彫
(
ほ
)
つた、
自然
(
しぜん
)
に
奇代
(
きたい
)
の
双六磐
(
すごろくいは
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
白
(
しろ
)
い
筋
(
すぢ
)
を
縁
(
ふち
)
に
取
(
と
)
つた
紫
(
むらさき
)
の
傘
(
かさ
)
の
色
(
いろ
)
と、まだ
褪
(
さ
)
め
切
(
き
)
らない
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
の
色
(
いろ
)
を、
一歩
(
いつぽ
)
遠退
(
とほの
)
いて
眺
(
なが
)
め
合
(
あ
)
はした
事
(
こと
)
を
記憶
(
きおく
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
證據にと目に
角
(
かど
)
立
(
たつ
)
れば惣内
膝
(
ひざ
)
立直
(
たてなほ
)
し名主役の惣内を盜人などとは
言語同斷
(
ごんごどうだん
)
なり九助品に依り
筋
(
すぢ
)
に因ては
了簡
(
れうけん
)
成難
(
なりがた
)
しと聞
皆々
(
みな/\
)
四方より九助を取
卷
(
まき
)
たり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
被害者
(
ひがいしや
)
から
事實
(
じじつ
)
が
相違
(
さうゐ
)
したといふ
意味
(
いみ
)
の
取消
(
とりけし
)
を
出
(
だ
)
せばそれで
善
(
い
)
いといふことにまで
運
(
はこ
)
びがついた。
微罪
(
びざい
)
といふので
其
(
その
)
筋
(
すぢ
)
の
手加減
(
てかげん
)
が
出來
(
でき
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「人間の
屑
(
くづ
)
だよ、——俺の立てた
筋
(
すぢ
)
は先づ間違ひはあるまいと思ふ。このお調べは面白いぜ、八」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔は少し泳げたのだが、狸も三十七になると、あちこちの
筋
(
すぢ
)
が固くなつて、とても泳げやしないのだ。白状する。おれは三十七なんだ。お前とは実際、としが違ひすぎるのだ。
お伽草紙
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
讀
(
よ
)
んでゐると、その
冴
(
さ
)
えた力に
驚
(
おどろ
)
き、亦
引摺
(
ひきず
)
られても行きますが、さて頁を伏せて見て、ひよいと今
作者
(
さくしや
)
に依つて
描
(
ゑが
)
かれた人物の
心理
(
しんり
)
を考へて見ると、人物の心理の
線
(
せん
)
や
筋
(
すぢ
)
丈
(
だ
)
けは
極
(
きは
)
めて
鮮
(
あざや
)
かに
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
... そりやア
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へない
凄
(
すご
)
い
怪談
(
くわいだん
)
がある」「へー、それはどう
云
(
い
)
ふ
筋
(
すぢ
)
です」「
委
(
くは
)
しい事は知らないが、
何
(
なん
)
でも
其
(
そ
)
の
初代
(
しよだい
)
の
多助
(
たすけ
)
といふ人は
上州
(
じやうしう
)
の
方
(
はう
)
から出て
来
(
き
)
た人で、同じ
国者
(
くにもの
)
が
多助
(
たすけ
)
を
便
(
たよ
)
つて
来
(
き
)
て、 ...
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
身内の
筋
(
すぢ
)
が
悉
(
こと/″\
)
く
弛
(
ゆる
)
んですつと胸が開く様な
暢達
(
ちやうたつ
)
な気持を覚える。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
筋
(
すぢ
)
を引き、
環
(
くわん
)
をゑがきて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
よしや千
里
(
り
)
が
萬里
(
ばんり
)
はなれるとも
眞實
(
まこと
)
の
親子
(
おやこ
)
兄弟
(
けうだい
)
ならば
何時
(
いつ
)
歸
(
かへ
)
つて
何
(
ど
)
うといふ
樂
(
たの
)
しみもあれど、ほんの
親切
(
しんせつ
)
といふ一
筋
(
すぢ
)
の
糸
(
いと
)
にかヽつて
居
(
い
)
し
身
(
み
)
なれば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
六月
(
ろくぐわつ
)
の
日
(
ひ
)
の
照
(
て
)
らす
中
(
なか
)
に、
寢不足
(
ねぶそく
)
の
蒼白
(
あをじろ
)
い
顏
(
かほ
)
を、
蒸返
(
むしかへ
)
しにうだらして、
筋
(
すぢ
)
もとろけさうに、ふら/\と
邸
(
やしき
)
に
近
(
ちか
)
づく。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
致させまじ
渠
(
かれ
)
が
夫
(
をつと
)
の一大事と申は何か仔細のある事ならんと
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
願ひの
筋
(
すぢ
)
取上て遣はすべし然れども今は此
混雜
(
こんざつ
)
ゆゑ
後
(
のち
)
に
趣意
(
しゆい
)
は聞んにより一
先
(
まづ
)
其者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
又
(
また
)
どう
云
(
い
)
ふ
筋
(
すぢ
)
を
通
(
とほ
)
れば、
馬鹿
(
ばか
)
な
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
はないで
濟
(
す
)
むといふ
手續
(
てつゞき
)
を
教
(
をし
)
へて
呉
(
く
)
れるものもなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
矢張
(
やつぱり
)
横町
(
よこちやう
)
の
道具屋
(
だうぐや
)
に
屏風
(
びやうぶ
)
を
賣
(
う
)
るより
外
(
ほか
)
に
仕方
(
しかた
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さうだが、それもどういふ
筋
(
すぢ
)
の
錢
(
ぜに
)
だか
分
(
わか
)
らないがそりや
使
(
つか
)
つちやいかないんだらうさね」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
全身の
筋
(
すぢ
)
のはちきれるやうな
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
駄々
(
だゞ
)
を
捏
(
こ
)
ぬて、
泣癖
(
なきくせ
)
が
著
(
つ
)
いたらしい。への
字
(
じ
)
形
(
なり
)
の
曲形口
(
いがみぐち
)
、
兩
(
りやう
)
の
頬邊
(
ほゝべた
)
へ
高慢
(
かうまん
)
な
筋
(
すぢ
)
を
入
(
い
)
れて、
澁
(
しぶ
)
を
刷
(
は
)
いたやうな
顏色
(
がんしよく
)
。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
うき
世
(
よ
)
の
飾
(
かざ
)
りの
紅
(
べに
)
をしろいこそ
入
(
い
)
らぬ
物
(
もの
)
と
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
がみ
)
の
投
(
な
)
け
島田
(
しまだ
)
に
元結
(
もとゆひ
)
一
筋
(
すぢ
)
きつて
放
(
はな
)
せし
姿
(
すがた
)
、
色
(
いろ
)
このむ
者
(
もの
)
の
目
(
め
)
には
又
(
また
)
一
段
(
だん
)
の
美
(
び
)
とたヽえて
聟
(
むこ
)
にゆかん
嫁
(
よめ
)
にとらん
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうなると、今迄は気が
付
(
つ
)
かなかつたが、
実
(
じつ
)
に見るに堪えない程醜くいものである。毛が
不揃
(
むら
)
に
延
(
の
)
びて、
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
所々
(
ところ/″\
)
に
蔓
(
はびこ
)
つて、如何にも不思議な動物である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
も
目
(
め
)
は
塞
(
ふさ
)
がず、
例
(
れい
)
の
眸
(
みは
)
つて、
些
(
さ
)
の
顰
(
ひそ
)
むべき
悩
(
なや
)
みも
無
(
な
)
げに、
額
(
ひたひ
)
に
毛
(
け
)
ばかりの
筋
(
すぢ
)
も
刻
(
きざ
)
まず、
美
(
うつく
)
しう
優
(
やさし
)
い
眉
(
まゆ
)
の
展
(
の
)
びたまゝ、
瞬
(
またゝき
)
もしないで、
其
(
そ
)
のまゝ
見据
(
みす
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夫
(
そ
)
れならどうしてと
問
(
と
)
はれゝば
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
さまざま
是
(
こ
)
れは
何
(
ど
)
うでも
話
(
はな
)
しのほかの
包
(
つゝ
)
ましさなれば、
誰
(
だ
)
れに
打明
(
うちあ
)
けいふ
筋
(
すぢ
)
ならず、
物言
(
ものい
)
はずして
自
(
おの
)
づと
頬
(
ほゝ
)
の
赤
(
あか
)
うなり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
手に
編針
(
あみばり
)
を持つてゐる。
毛糸
(
けいと
)
のたまが寝台の
下
(
した
)
に
転
(
ころ
)
がつた。女の手から長い赤い糸が
筋
(
すぢ
)
を引いてゐる。三四郎は寝台の
下
(
した
)
から毛糸のたまを取り出してやらうかと思つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
早
(
はや
)
く、
町
(
まち
)
を
放
(
はな
)
れて
辻
(
つじ
)
を
折
(
を
)
れると、
高草
(
たかくさ
)
に
遥々
(
はる/″\
)
と
道
(
みち
)
一
筋
(
すぢ
)
、十
和田
(
わだ
)
に
通
(
かよ
)
ふと
聞
(
き
)
いた
頃
(
ころ
)
から、
同伴
(
つれ
)
の
自動車
(
じどうしや
)
が
続
(
つゞ
)
かない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なに
)
ごとにも
一
(
ひ
)
と
筋
(
すぢ
)
なる
乙女氣
(
をとめぎ
)
には
無理
(
むり
)
ならねど、さりとは
歎
(
なげ
)
かはしき
迷
(
まよ
)
ひなり、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
親
(
した
)
しく
逢
(
あ
)
ひて
親
(
した
)
しく
語
(
かた
)
りて、
諫
(
いさ
)
むべきは
諫
(
いさ
)
め
慰
(
なぐさ
)
むべきは
慰
(
なぐさ
)
めてやりたし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“筋”の意味
《名詞》
(すじ) 匿名条件で情報を明かす内部の関係者。
(出典:Wiktionary)
筋
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
“筋”を含む語句
筋違
筋向
筋書
頸筋
筋斗
千筋
道筋
翻筋斗
筋合
筋違橋
一筋
筋骨
首筋
二筋
其筋
筋肉
青筋
三筋町
主筋
飜筋斗
...