“筋向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すじむこう28.6%
すぢむか23.8%
すじむか19.0%
すじむこ14.3%
すじむかい9.5%
すぢむかひ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
爺さんが筋向すじむこうの医者の門のわきへ来て、例のそこなった春のつづみをかんと打つと、頭の上に真白に咲いた梅の中から、一羽の小鳥が飛び出した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
筋向すぢむかうの駄菓子屋の婆アがさう言つて居ましたよ。初めのうちは氣が付かなかつたが、近頃は毎日食べ物を持つて來てやるから、ツイ顏を
筋向すじむかいの垣根かきねきわに、こなたを待ち受けたものらしい、くわいて立って、莞爾にこついて、のっそりと親仁おやじあり。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「は、は、はア!」筋向すじむこうに座を占めてこちらを見詰めていた男がまた笑った。
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
ところが或日あるひお千代が筋向すじむかい格子戸造こうしどづくりの貸家に引越して来た主人らしい男と、横町を隔てて両方の二階から顔を見合せると、その男には既に二、三回
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
てんときあめながら、案内あんない美人びじんたぞと、もう山葵漬わさびづけはしさきで、鯛飯たひめし茶漬ちやづけにしたいきほひで、つい此頃このごろ筋向すぢむかひとんさんにをしへをうけた、いち見附みつけはとじるしと
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)