トップ
>
筋向
>
すじむこう
ふりがな文庫
“
筋向
(
すじむこう
)” の例文
爺さんが
筋向
(
すじむこう
)
の医者の門の
傍
(
わき
)
へ来て、例の
冴
(
さ
)
え
損
(
そこ
)
なった春の
鼓
(
つづみ
)
をかんと打つと、頭の上に真白に咲いた梅の中から、一羽の小鳥が飛び出した。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
道程
(
みちのり
)
もさほど遠いとも思わず初めの
中
(
うち
)
は物珍しいのでかえって楽しかった。
宮内省
(
くないしょう
)
裏門の
筋向
(
すじむこう
)
なる兵営に沿うた土手の中腹に大きな
榎
(
えのき
)
があった。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
台所の板の間で
他
(
ひと
)
が
顫
(
ふる
)
えていても
一向
(
いっこう
)
平気なものである。吾輩の尊敬する
筋向
(
すじむこう
)
の白君などは
逢
(
あ
)
う
度毎
(
たびごと
)
に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
表の戸袋へ
斜
(
ななめ
)
に張った貸家札の書出しで差配はすぐ
筋向
(
すじむこう
)
の待合松風と知れている処から、その家の小女を案内に一応
内
(
うち
)
の間取を一覧し、早速手付金を置いて契約を済ました。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さては先生の寛容深くわが放蕩無頼を
咎
(
とが
)
めたまはざるかと、思へばいよいよ喜びに堪へず、直に
筋向
(
すじむこう
)
なる
深川亭
(
ふかがわてい
)
にいざなひしが、何ぞ
図
(
はか
)
らんこの会飲
永劫
(
えいごう
)
の別宴とならんとは。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
窓掛の
隙間
(
すきま
)
から硝子へ顔を
圧
(
お
)
しつけて、外を
覗
(
のぞ
)
くと
扇骨木
(
かなめ
)
の
植込
(
うえごみ
)
を通して池が見える。
棒縞
(
ぼうじま
)
の間から横へ抜けた波模様のように、途切れ途切れに見える。池の
筋向
(
すじむこう
)
が
藤尾
(
ふじお
)
の座敷になる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
筋
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“筋”で始まる語句
筋
筋違
筋骨
筋斗
筋道
筋肉
筋書
筋合
筋違橋
筋金