“編針”の読み方と例文
読み方割合
あみばり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……彼は小川に沿うてきつもどりつしている。おさだまりの月の光が、ちらちらと動いて、女の編針あみばりのように入り交る。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
手に編針あみばりを持つてゐる。毛糸けいとのたまが寝台のしたころがつた。女の手から長い赤い糸がすぢを引いてゐる。三四郎は寝台のしたから毛糸のたまを取り出してやらうかと思つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
編針あみばりの上に、こしらへかけてゐる財布の編目あみめの上に、集中しようとした——たゞ自分の手にある仕事の事だけを考へ、膝の上にある銀色の南京玉なんきんだまと絹絲ばかりを見てゐようと思つたのである。