話はだいぶ古めくが、大正十一年の秋の或る一夜のことだ。三ヶ月ほどの南北支那の旅を終つて、明日はいよいよ懷しい故國への船路に就かうといふ前の晩、それは乳色の夜靄が町の燈灯をほのぼのとさせるばかりに立ち罩めた如何にも異郷の秋らしい晩だつたが、僕 …
| 著者 | 南部修太郎 |
| ジャンル | 芸術・美術 > 諸芸・娯楽 > 射倖ゲーム |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「改造」改造社、1930(昭和5)年4月1日 |
| 文字種別 | 旧字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約15分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約25分(300文字/分) |