“仕合”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しあわせ30.3%
しあわ28.6%
しあはせ14.3%
しあは10.9%
しあい4.2%
しあ3.4%
しやわ2.5%
しやわせ1.7%
しあひ0.8%
マッチ0.8%
しやあ0.8%
シヤワセ0.8%
マツチ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これほど世の中は穏かになって来たのです。倫理観の程度が低くなって来たのです。だんだん住みやすい世の中になって御互に仕合しあわせでしょう。
文芸と道徳 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんな立派な人が、こうした美しい物語を書きのこしてくれたことは、少年少女にとって、非常な仕合しあわせといわなければなりません。
だが飛びのいて初めてわかるまでは、そんなに遠くの方まで逐ひやられようとは思つてゐなかつたのだつた。結局これは仕合しあはせだつた。
しかるに昨年さくねん十一ぐわつ二十一にちに、今年こんねんぐわつ十一にちおい金解禁きんかいきん決行けつかうすることに決定けつてい發表はつぺうたことは我國經濟わがくにけいざいため非常ひじやう仕合しあはせである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
一度、仕合しあい谷の南を限る山の鼻を踰える際、崖を下ってみぎわを辿れば三時間も近廻りとなるというので、私は下ろうではないかと長次郎に勧めて見た。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「わりも、独り身で寂しかじゃろな。魂のなかけだもんでさえ、夫婦みょうと仕合しあわせに飯をたべているからな」
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
文「お前さん方は仕合しやわせだ、此の方がねえ金を出して下さると云うから命の親と思うが宜しい、こんな目出たい事はない」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
突当りの芥溜ごみためわきに尺二けんあががまち朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、さすがに一方口いつぱうぐちにはあらで山の手の仕合しやわせは三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面、それがはじを少し囲つて青紫蘇あをぢそ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また時とすると、うでよりも口の仕合しあひになつてしまふ。しかし、ここにも先生の風かくあらはれて、そのりたるやゆう重厚じうこうかんじがある。そして、一めんには纎細せんさい妙巧めうこうおもむきを見る。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
また新橋組と工部と仕合いたることもありしか。その後青山英和学校も仕合マッチ出掛でかけたることありしかど年代は忘れたり。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
先方むこうで世話をしようと云う、お前さんも弟様にいさん仕合しやあせで、此の上もねえ結構な事、お前さんの為を思ってわちきは相談に来たんだが、早速お話になるよう善は急げだがうでげしょう
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
旧来の通称の儘のは、茶珍チヤチン徳珍トクチン鈍宝ドンボオ道木ドオキ綿帽子ワタボオシ仕合シヤワセ午造ゴゾオ宝楽ホオラクカミナリトビ鍋釜ナベカマなどいふ、思案に能はぬのもある。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
『近時第一高等学校と在横浜米人との間に仕合マツチありしより以来ベースボールといふ語は端なく世人の耳に入りたり』云々ともある。
子規と野球 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)