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しあはせ
ふりがな文庫
“
仕合
(
しあはせ
)” の例文
だが飛びのいて初めてわかるまでは、そんなに遠くの方まで逐ひやられようとは思つてゐなかつたのだつた。結局これは
仕合
(
しあはせ
)
だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
又
仕合
(
しあはせ
)
なことにさきに一等看護婦になつてゐた智恵子の姪のはる子さんといふ心やさしい娘さんに最後まで看護してもらふ事が出来た。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
知り
即夜
(
そくや
)
旅館
(
りよくわん
)
に
呼寄
(
よびよせ
)
一通り
糾問
(
たゞし
)
に取掛られたり然れば藤八お節の兩人は願ひの
趣
(
おもむ
)
き御
取上
(
とりあげ
)
に相成し事
實
(
まこと
)
に有難き
仕合
(
しあはせ
)
なりと
涙
(
なみだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「しかし、あの子はお乳がないとこまるから、母さまのそばにゐた方が
仕合
(
しあはせ
)
だ。それでは四人で一しよにくらしていかう。」
星の女
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
思へば、人の申候ほど死ぬる事は
可恐
(
おそろし
)
きものに
無御座候
(
ござなくさふらふ
)
。私は今が今
此儘
(
このまま
)
に息引取り候はば、何よりの
仕合
(
しあはせ
)
と
存参
(
ぞんじまゐ
)
らせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
エヘヽヽ
表
(
おもて
)
を
通
(
とほ
)
る
女子達
(
をなごたち
)
は
皆
(
みな
)
立留
(
たちどま
)
る
位
(
くらゐ
)
のもんで、
斯
(
か
)
ういふ
珠揃
(
たまぞろひ
)
のお
方々
(
かた/″\
)
が
居
(
ゐ
)
て
世辞
(
せじ
)
を
商
(
あきな
)
ひして
居
(
ゐ
)
らつしやる
処
(
ところ
)
へ
買
(
かひ
)
に
来
(
き
)
ましたのは
手前共
(
てまいども
)
の
仕合
(
しあはせ
)
で
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
桑田はこんな好い家は捜しても
滅多
(
めつた
)
に捜されるものではない。アパートを追出されたのは全く有難い
仕合
(
しあはせ
)
だと思つた。
人妻
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
所
(
ところ
)
が
仕合
(
しあはせ
)
にもミハイル、アウエリヤヌヰチの
方
(
はう
)
が、
此度
(
こんど
)
は
宿
(
やど
)
に
引込
(
ひつこ
)
んでゐるのが、とうとう
退屈
(
たいくつ
)
になつて
來
(
き
)
て、
中食後
(
ちゆうじきご
)
には
散歩
(
さんぽ
)
にと
出掛
(
でか
)
けて
行
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「有難い
仕合
(
しあはせ
)
です。」作者は妙に苦笑し乍ら云つた。「これからも精々いゝ種を仕入れるとしませう。」
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
人間といふものは賢くなるためには、
従来
(
これまで
)
持つてゐた何物かを失はなければならない、とすると、
女房
(
かみさん
)
や馬に
遁
(
に
)
げられるよりは、蜜蜂を
失
(
な
)
くした方が、まだ
仕合
(
しあはせ
)
だつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
堪忍
(
かんにん
)
をし、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つても
先方
(
さき
)
は
大勢
(
おほぜい
)
、
此方
(
こつち
)
は
皆
(
みな
)
よわい
者
(
もの
)
ばかり、
大人
(
おとな
)
でさへ
手
(
て
)
が
出
(
だ
)
しかねたに
叶
(
かな
)
はぬは
知
(
し
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
夫
(
そ
)
れでも
怪我
(
けが
)
のないは
仕合
(
しあはせ
)
、
此上
(
このうへ
)
は
途中
(
とちう
)
の
待
(
まち
)
ぶせが
危
(
あぶ
)
ない
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それがあなたにとつて
仕合
(
しあはせ
)
だとも不仕合だとももう思へませんでした。
井上正夫におくる手紙
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
『常さんがしつかりして居るから、お
宅
(
たく
)
では
仕合
(
しあはせ
)
ぢや』
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
そんだがおめえも
相續人
(
さうぞくにん
)
善
(
よ
)
く
出來
(
でき
)
て
仕合
(
しあはせ
)
だよなあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
分
(
ぷん
)
にならるる
娵
(
よめ
)
の
仕合
(
しあはせ
)
利牛
民族的記憶の名残
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
見付是は
珍
(
めづ
)
らしやと表へ呼出し向ふ横町の
鰻屋
(
うなぎや
)
へ
上
(
あが
)
りて物語りけるに三吉は
膝
(
ひざ
)
を進め
扨々
(
さて/\
)
面目なき
仕合
(
しあはせ
)
なれども誠に此體なれば
何卒
(
なにとぞ
)
少々の合力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は宮を見る毎に
大
(
おほい
)
なる手柄をも成したらんやうに吾が
識
(
し
)
れるほどの親といふ親は、皆才覚無く、
仕合
(
しあはせ
)
薄くて、
有様
(
ありよう
)
は気の毒なる人達
哉
(
かな
)
、と
漫
(
そぞろ
)
に己の誇らるるなりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
仕合
(
しあはせ
)
と道具屋は名人を
拵
(
こさ
)
へる事にかけては、その道の師匠よりもずつと
傑
(
すぐ
)
れた腕を持つてゐるので、幸田氏は十日も経たぬうちに名人の吹いた尺八を三本まで手に入れた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
堪忍をし、何と思つても
先方
(
さき
)
は大勢、
此方
(
こち
)
は皆よわい者ばかり、大人でさへ手が出しかねたに
叶
(
かな
)
はぬは知れてゐる、それでも怪我のないは
仕合
(
しあはせ
)
、この上は途中の待ぶせが危ない
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誠に
有難
(
ありがた
)
き
仕合
(
しあはせ
)
に
存
(
ぞん
)
じます……。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
逃去
(
にげさり
)
金はまんまと奪ひ取
仕合
(
しあはせ
)
よしと兩人五百兩宛
配分
(
はいぶん
)
して悦び別れけり然ば
彼
(
かの
)
兩替屋にては翌朝
早速
(
さつそく
)
町奉行所へ訴へ出ければ大岡殿島屋の
手代
(
てだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや、
仕合
(
しあはせ
)
と想うたよりは軽くての、まあ、ま、あの分なら心配は無いて」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“仕合”の意味
《名詞》
仕合(しあい)
試合に同じ。
(出典:Wiktionary)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“仕合”で始まる語句
仕合者
仕合場
仕合好
仕合故
仕合谷
仕合せな夢