“しあわせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幸福51.9%
仕合22.2%
僥倖11.1%
8.0%
3.7%
幸運1.2%
為合0.6%
倖倖0.6%
首尾0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
というのが本当ならば、せっかくいくらか幸福しあわせになりかけている彼女の境遇を、そんなことをして、また情けない思いをさせたくない。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
その時、私が水を掛ける真似まねをしたら、「いい御主人を持って御仕合しあわせ」と言って、御尻をたたいて笑った女が有ましたろう。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それがなかったのは彼のために僥倖しあわせでした。平常は沈着といわれる者にでも、咄嗟とっさという秒間には、ずいぶん理智をはずした行動のあるものです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いっそこのままなおらずに——すぐそのあとで臥病わずらいましたのですよ——と思ったのですが、しあわせ不幸ふしあわせか病気はだんだんよくなりましてね。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
箱根を越えないうちにソコソコと荷物を片付けて、前部の車へ引移ってしまったので、翁は悠々と足を伸ばした。世の中は何がしあわせになるかわからない。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お嬢様は、御自分の幸運しあわせを、あなたにお知らせしたがっていらっしゃるのですよ。このお盆の上のお手紙を御覧下さい。お嬢様がお書きになったのです。
死ぬることのある人間に、そんな力が授けてなくて為合しあわせだ。無邪気に受答うけこたえをしている相手を、粉微塵にでもしようと云うのは、チランノスの流義だ。
まだ望んでいることの出来るものは、為合しあわせだ。1065
作「お前が倖倖しあわせだと云うは粂野美作守様からお抱えになりますよ、お召しだとよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
召し使ひたる男女なんにょ共、あたゞに立ち騒ぎ打ち喜びて、かほどの首尾しあわせはよもあらじと、今までに引き換へてさゞめき合ひ候ひしが、そが中に唯一人、妾をり育て候乳母めのとの者
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)