“さい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サイ
語句割合
18.3%
15.2%
9.7%
9.5%
7.8%
4.9%
3.8%
3.6%
骰子2.8%
2.0%
1.7%
1.5%
1.3%
1.3%
1.0%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
苛責0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
左様0.3%
差違0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
骸子0.3%
左樣0.1%
佐井0.1%
0.1%
0.1%
副食物0.1%
差異0.1%
惣菜0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
蓑衣0.1%
0.1%
裂断0.1%
西0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
𩵝0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云うのは、奥の長櫃キャビネットの上で、津多子夫人は生死を四人のさいの目に賭けて、両手を胸の上で組み、長々と横たわっているのであった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さいの出た跡で、更に酒を呼んだ宗右衛門は、気味の悪い笑顔えがおをして五百を迎える。五百はしずか詫言わびごとを言う。主人はなかなかかない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
このガチョウはい鳥ではありましたが、アッカという、百さいにもなるガンの隊長のことは、いままでにもうわさに聞いていました。
あらをはつたとき枯葉かれはおほいやうなのはみなかまでゝうしろはやしならみきなはわたして干菜ほしなけた。自分等じぶんら晝餐ひるさいにも一釜ひとかまでた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかるに今日こんにちぱんにこの轉倒てんたふ逆列ぎやくれつもちゐてあやしまぬのは、畢竟ひつきやう歐米文明おうべいぶんめい渡來とらいさい何事なにごと歐米おうべい風習ふうしう模倣もほうすることを理想りさうとした時代じだい
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
その母は、おさいといって、やはり根は廓者さとものであったけれど、いわゆる仲之町なかのちょうの江戸前芸者で、名妓めいぎといわれたひとであったそうな。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けだし聞く、大禹たいうかなえて、神姦鬼秘しんかんきひ、その形を逃るるを得るなく、温嶠おんきょうさいを燃して、水府竜宮、ともにその状を現わすを得たりと。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ニース全市は湧き返るような大混雑、大盛況。有銭無銭の大群集は、それぞれ費用と場所をわきまえて、ただもう一さい夢中に法楽する。
「よろしい、人生は賭博とばくのごとしだ、……この骰子さいはわしの負けとしよう! 今度は諸君に、見事負けたのだ! ハハハハハ」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
人々は、今は石のように身動きもせず、ジットリと汗ばむ手を握りしめて、さい穿うがって鮮かな、名探偵の推理に聴き入っていた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ゐのしゝきばこさへました、ほんにさいでござります、御覧ごらうじまし。』と莞爾々々にこ/\しながら、てのひららしてせたところを、二人ふたり一個ひとつづゝつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
葉公に見切りをつけて、楚からさいに引きかえす孔子の心は、いくぶん淋しかった。彼は車にゆられながら、眼をとじては、じっと考えに沈んだ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
さい近廣津和郎氏が「さまよへる琉球りうきう人」といふさくしゆこうにした青年がどうもその青年と同一人らしいので、わたしはちよつとおどろいてゐる。
ここにぼろぎれのように眠る男も、やはり此の身をさいなまずしては生きて行けない生活をしている。
風宴 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
さいさい自分じぶん研究けんきうして熟考じゆくかうしてうへ愈々いよ/\わからねば其時そのときはじめて理由りいう説明せつめいしてかすくらゐにしてくのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
四一野伏等のぶしらはここかしこにさいをかまへ、火を放ちてたからを奪ふ。四二八州はつしうすべて安き所もなく、浅ましき世のつひえなりけり。
それ以来幕末まで、日本人とは婚姻を結ばずにずっと此処ここに住んでいたのでありますから、今もちんとかきんとかさいとかいう名を用いる者が少くありません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「ならば申すが……には“血光けっこうさい”という大凶が出ている。百日を出ぬまに、当家の財は崩れ、あなたは剣難に遭って一命を終るでしょう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蝉羽子せんうし悄然として立つこと少時、かれを招きてともに車を推し、之を小亭に引きて飯を命じ、鮮魚をさいして食はしめ、未だ言を交ゆる事多からず、其の旧事を回想せしめん事を恐るればなり。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
一年一度のにぎはひであると云ふ十月さいの用意に、東京の青山練兵場を半分にした程の公園が見世物小屋の普請で一杯に成つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
引つ切りなしに揚がる花火、五さいの火花が水を染めて、『玉屋ア、鍵屋ア』といふお定まりの褒め言葉が、川づらを壓し、橋を搖るがして、何時果つべしとも思はれません。
これ此樣こんなうつくしいはなさいてあるに、えだたかくてわたしにはれぬ、のぶさんはせいたかければおとどきましよ、後生ごせうつてくだされと一むれのなかにては年長としかさなるをつけてたのめば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
堯典に曰く、二十有八さい放勲ほうくんすなわ徂落そらくせり、百姓考妣ふぼするが如くなりき、三年、四海しかい八音はちいん遏密あつみつせりと。孔子曰く、天に二日無く民に二王無しと。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
寿鶴亭じゅかくていという八人芸(時雨しぐれ云、拙著『旧聞日本橋』の中には、この寿鶴の名が思いだせないで○○さいと書いたのと同じ人)
諏訪様の方では、牛は鈍いからと、夜中にたって大急ぎでやって来られたので、先に越後分のさいの神という所まで来て、そこでやっと越後様の馬と出あわれた。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
魯に在って遥かに衛の政変を聞いた孔子は即座に、「さい(子羔)や、それ帰らん。ゆうや死なん。」と言った。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そしてその側の藪を分けて、さいと象とを合わせたような八、九間もある動物が二本の角を振り立て振り立て野性の鼠を追っかけている。それは確かに恐龍である。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「大切な客人」とか、「運よく母娘づれが通りかかるとは、さいさきがよい」とか——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
気絶する程に痛い足を十基米キロメートルも引摺り引摺り、又もあの鉄と火のざき地獄の中へ追返されるのかと思うと、自分自身が苛責さいなまれるような思いを肋骨あばら空隙くうげきに感じた。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたくしは「ああ」といって身体をゆすった。もう逸作に反対する勇気はなかった。わたくしはあまりにも潔癖過ぎる家伝の良心にさいなまれることが度々ある。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
さいつ頃、尾張の頼盛が家人けにんの弥兵衛宗清という侍が、美濃路で捕えてきた可憐いじらしい和子がありましたの」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
而してこの私を標準にして世間を見渡すと、世間の人生観を論ずる人々も、皆私と似たり寄ったりの辺にいるのではないかとさいせられる。もしそうなら、世を挙げて懺悔の時代なのかも知れぬ。
左様さいで、ござりません。仁丹がうござりますやろ。」と夕間暮ゆうまぐれ薬箪笥くすりだんすに手を掛ける、とカチカチと鳴るかんとともに、額の抜上った首を振りつつおおきな眼鏡越にじろりとる。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
十年前のころは、夜が明けて、空が晴れていると、空襲があるという予想から、晴天せいてんうらんだものである。この頃は、晴れていようが、曇っていようが、どっちでも大した差違さいはない。
かくは外の曲輪くるわをいい、塁は各部の囲いをいい、さいはその中心全体をいう。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ると海鼠なまこさいたやうなくちもないものぢやが、動物どうぶつにはちがひない。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さい子の遊びに憤り、心ならずも誤りて
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
二俵の米に執着し切った彼の頭はしかし、車座になって勝負を争ったその最初から乱れていた。骸子さいころを睨んでいる彼の目は血走り、息はせわしくはずんでいた。
鰊漁場 (新字新仮名) / 島木健作(著)
『お歸んなさい。』とか『左樣さいでございますか。』とか、繰返し/\教へるのであつたが、二人は胸の中でそれをねて見るけれど、仲々お吉の樣にはいかぬ。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
郷里くに言葉の『だすか。』と『左樣さいでございますか。』とは、第一長さが違ふ。二人には『で』に許り力が入つて、兎角『さいで、ございますか。』と二つに切れる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
安永八年に歿した妙仙みょうせん、寛政二年に歿した寿慶じゅけい、それから嘉永元年まで生存していた芳松院ほうしょういん緑峰りょくほうである。緑峰は菱谷氏ひしたにうじ佐井さい氏に養われて独美に嫁したのが、独美の京都にいた時の事である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……さいわいなのは子供と離されていることだ、甲之助と乳母とは廊下をかぎなりに曲って、五つばかり向うの部屋にいる、良人の好みで召使たちもずっと離れていた。
めおと蝶 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たるぞ、軍陣ぐんぢん門出かどでさい
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その証拠に副食物さいの事を酒のさかなというではないか。中にはそうでないものもあるけれどもおもなる日本料理は酒の肴だ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
この好奇心かうきしん刺戟しげきせられて、空想くうさう空想くうさうかさね、つひ珍無類ちんむるゐかたち創造さうざうする。ゆゑ化物ばけもの各時代かくじだい各民族かくみんぞくかならくてならないことになる。したがつて世界せかい各國かくこくその民族みんぞく差異さいおうじて化物ばけものことなつてる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
新鮮な、いいお惣菜さいだ。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ビスマルクが将来の経綸けいりんたるや、オーストリアをゲルマン連邦より拒絶しこれを東方にさいし、バルカン諸小国を併滅せしめ、ダニューブにそうて東漸せしめ、サロニカをしてその首都たらしめ
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
罪も汚れも一さい
小曲二十篇 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
れ幽明の異趣、すなわ詭怪きかいの多端、之に遇えば人に利あらず、之に遭えば物に害あり。故に大厲だいれい門に入りて晋景しんけい歿ぼっし、妖豕ようしに啼いて斉襄せいじょうす。禍を降し妖をなし、さいを興しせつをなす。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
醸家の水を貴び水を愛し水を重んじ水ををしむ、まことに所以ゆゑある也。剣工の剣を鍛ひて之をさいするや、水悪ければ即ち敗る。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
日本中の廃棄金山の鉱床こうしょうを調べ、過去の鉱量を精密に計算して、もっとも有望だと思われる六つの鉱山を選び出すと、四月のある朝、腰にさい鉱用の鉄鎚スレッチをはさみ
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もし此儘で置てはだ後世を誤るばかりと思ふから聞ひた儘を筆記して、土陽新聞の余白を借り、諸君の一さいを煩す事にしました
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
然レドモ東西隔絶スルコト千里余ナリ。ノ羽族ノ序ヲヒ影ヲつらネテ飲啄いんたく相離ルヽコトナキガ如クナルコト能ハズ。悲ミ中ヨリ生ジ老涙さいニ交ル。コレガタメニ竟夕きょうせきやすカラズ。坐シテ以テあしたヲ待ツ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
(『義楚六帖ぎそろくじょう』にいわく、「『倶舎くしゃ』に曰く、『漸死ぜんしにはそくさいしんとに、最後に意識滅す。下と人と天は不生なり。断末摩は水等なり』」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
古詩に「何蓑何笠」などという句もある。「何」はになうの意である。江為の詩に「何時洞庭上、春雨満蓑衣」とあるから、支那では「蓑衣さい」なる言葉も用いた。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
肉をさいするをいさぎよしとせずして、天下を裁するの志を抱き、政府に対してこれに感服せざるのみならず、つねに不平を訴うるほどのことなれば、その心志のとどまるところは
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
象牙ぞうげの、丸味のある、外側を利用して、裂断さいた面の方に、幾分のくぼみを入れ、外側は、ほとんど丸味のあるままで、そして、つまさきの厚味は四分しぶもあるかと思われる、厚い、大きな爪だ。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
とう修羅しゅら西さいは都に近ければ横川よかわの奥ぞ住みよかりけると云う歌がある通り、横川が一番さびしい、学問でもするに好い所となっている。——今話した相輪橖そうりんとうから五十丁も這入はいらなければ行かれない
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
遊惰いうだの日を送るさいも無きを。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そのために私は、金のある人々にき使われ、いじめられ、さいなまれ抑えつけられ、自由を奪われ、搾取さくしゅされ、支配されてきた。
寢食しんしよくことまをすにおよばず、器物きぶつ取扱とりあつかひことみづこと掃除さうぢこと其外そのほかさい仕事しごとくわんしてみん銘々めい/\獨立心どくりつしんつておこなへば自然しぜん責任せきにんおもんずるやうになる。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
向う葛西領の敵手むこう北條氏綱ほうじょううじつな氏康うじやす父子が陣を取り、此方こっち里見安房守義弘さとみあわのかみよしひろ太田新おおたしんろう康資やすもと同苗おなじく美濃守資正入道みのゝかみすけまさにゅうどうらくさいなどすこぶる処のものが籠城をして
おいしくない点では𩵝さいの卵と淡水魚中の双璧であるといわれている。
(新字新仮名) / 佐藤垢石(著)