“とりで”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トリデ
語句割合
砦68.8%
取手9.4%
寨6.5%
塁5.8%
城砦2.9%
城寨1.4%
塞1.4%
堡塁0.7%
壘0.7%
寨塁0.7%
柄子0.7%
砦塞0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
峰が一つ開けると忽然(こつねん)として砦(とりで)のような山が行手を断ち切るように眼の前に現われる。七兵衛は平らな岩の上に立って谷底を見ていたが
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
我孫子(あびこ)から利根川をひとつ越すと、こゝはもう茨城県で、上野から五十六分しかかゝらぬのだが、取手(とりで)といふ町がある。
居酒屋の聖人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
仙道七郡を去年の合戦に得たまいしよりのこと、それを今更秀吉の指図に就かりょうとは口惜しい限り、とてもの事に城を掻き寨(とりで)を構え、天下を向うに廻して争おうには、勝敗は戦の常
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この特権と信仰の塁(とりで)に対しては、どんな猛勇な兵も、そうやすやす、駈けあがって来ることはできまい——宝塔伽藍(がらん)を蹂躪(じゅうりん)するまでのことはなし得まい——と、そう充分に恃(たの)んでいたふうもあった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい、屹度さうです。ほかへ行くのではありませんよ、ダニーロの旦那! でなければ、あんな方角へ曲る筈がありません。だが、城砦(とりで)の辺で見えなくなりましたよ。」
城寨(とりで)の山々は急に湖のような寂寞(しじま)になっていた。跫音(あしおと)もさせぬ静かな一すじの列が、水の流るるように、総門のほうからここへ上って来るのが見えた。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は彼のことを自然がその英雄達——基督教徒(キリストけうと)と異教徒の——その立法者、その政治家、その征服者達を創造(つく)り出した材料で出來てゐる人だと考へた。巨大な利害を擔ふべき頑丈な塞(とりで)。
上野山内から、伽藍(がらん)の焼落ちる黒煙が見えた。幕府という古い制度の、最後の堡塁(とりで)であった彰義隊の本営が、壊滅される印の黒煙でもあった。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
森と言へば叢立(むらだ)つ霧のこちごちに氣高(けだか)く厚く壘(とりで)立てたる
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ときに関羽の子関平は、偃城に屯(たむろ)しており、部下の廖化(りょうか)は四冢(しちょう)に陣していた。その間、連々と十二ヵ所の寨塁(とりで)を曠野の起伏につらね、一面樊城を囲み、一面魏の増援軍に備えていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今(いま)一個(いつこ)の人(ひと)あり、車臺(しやだい)に坐(ざ)して、右手(ゆんで)に柄子(とりで)を握(にぎ)つて旋廻輪(せんくわいりん)を廻(まわ)しつゝ、徐々(じよ/\)に足下(そくか)の踏臺(ふみだい)を踏(ふ)むと忽(たちま)ち傍(かたはら)に備(そな)へられたる號鈴器(がうれいき)はリン/\と鳴(な)り出(だ)して、下方(かほう)の軸盤(じゆくばん)の靜(しづ)かに回轉(くわいてん)を始(はじ)むると共(とも)に
秘密も秘密、公儀御法度(ごはっと)の兵糧倉(ひょうろうぐら)と武器倉を二カ所にこしらえ、巧みな砦塞(とりで)すらも築造中なのでござります。