さい)” の例文
「拙僧は三宝院ノ僧正賢俊と申すものですが、ついさいつ頃までは、院のおそば近う仕えたてまつっていた中納言日野の資明すけあきにおざりまする」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さいつ頃、尾張の頼盛が家人けにんの弥兵衛宗清という侍が、美濃路で捕えてきた可憐いじらしい和子がありましたの」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さいとし万里小路惟房卿までのこうじこれふさきょうをお使いとして、微臣信長に、密勅を賜わったが、今また、信長上洛じょうらくの催しを叡聞えいぶんあらせられて、ひそかに、優渥ゆうあくなる御綸旨ごりんじと、金襴きんらん戦袍せんぽうとを賜わった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)