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采
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さい
ふりがな文庫
“
采
(
さい
)” の例文
部隊部隊で、
采
(
さい
)
を振る風が鳴った。真っ黒な長い人馬が、奔流のように動きだした。しかし、目ざす地点は、大高の城ではなかった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
猪
(
ゐのしゝ
)
の
牙
(
きば
)
で
拵
(
こさ
)
へました、ほんに
佳
(
い
)
い
采
(
さい
)
でござります、
御覧
(
ごらう
)
じまし。』と
莞爾々々
(
にこ/\
)
しながら、
掌
(
てのひら
)
を
反
(
そ
)
らして
載
(
の
)
せた
処
(
ところ
)
を、
二人
(
ふたり
)
で
一個
(
ひとつ
)
づゝ
取
(
と
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
好く文学者の成功の事を、大いなる
coup
(
クウ
)
をしたと云うが、あれは
采
(
さい
)
を
擲
(
なげう
)
つので、つまり芸術を
賭博
(
とばく
)
に比したのだね。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かれが決してバユワアル族(訳者註。バイエルン人の祖先)の
種
(
たね
)
でないことは、明らかだった——すくなくとも、かれの頭をおおっている、広いまっすぐなへりのついた皮帽は、かれの風
采
(
さい
)
に
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「へ、へ、へ、丁半は
采
(
さい
)
コロにかぎるて、なぐささい、じゃあるめえな」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
もうかくしの中の
采
(
さい
)
の目がわたくしの手をむずむずさせます。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
辰三郎 (髪の中より
采
(
さい
)
を出し捨てる)
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
と
私
(
わたし
)
の
掌
(
てのひら
)
を
開
(
あ
)
けさせて、ころりと
振
(
ふ
)
つて
乗
(
の
)
せたのは、
忘
(
わす
)
れもしない、
双六谷
(
すごろくだに
)
で、
夫婦
(
ふうふ
)
が
未来
(
みらい
)
の
有無
(
ありなし
)
を
賭
(
かけ
)
為
(
し
)
やうと
思
(
おも
)
つて
買
(
か
)
つた
采
(
さい
)
だつたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その歩兵群を蹴ちらして、一騎、二騎、三騎——すべてで七、八騎の騎馬の武将が
采
(
さい
)
を振り、自身槍を
揮
(
ふる
)
い、また、声をからして
駈
(
か
)
け
巡
(
めぐ
)
っている。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
采
(
さい
)
の目はまだどう出るか、分からない。10295
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
其処
(
そこ
)
も
魔所
(
ましよ
)
ぢやと
名
(
な
)
が
高
(
たか
)
い。
時々
(
とき/″\
)
山
(
やま
)
が
空
(
くう
)
に
成
(
な
)
つて
寂
(
しん
)
とすると、ころころと
采
(
さい
)
を
投
(
な
)
げる
音
(
おと
)
が
木樵
(
きこり
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
くとやら
風説
(
ふうせつ
)
するで。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
部将を堂前によび集め、彼は、
采
(
さい
)
を持って、
床几
(
しょうぎ
)
にかかった。戦闘配置の命を降してゆく。——
沈剛
(
ちんごう
)
な采配ぶり、さすがにまだ老いずの風はある。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうぞすぐに旨い
采
(
さい
)
の目を出して
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
が、腰にたばさんでいる
采
(
さい
)
や太刀づくりは誰の眼にもただの部将とは見えない。どうしても大将である。しかも味方の内では見たこともない大将だ。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勝
(
かち
)
に
乘
(
の
)
つたる
秀吉
(
ひでよし
)
が
一騎驅
(
いつきが
)
けに
馬
(
うま
)
を
寄
(
よ
)
せると、
腰
(
こし
)
より
采
(
さい
)
を
拔
(
ぬ
)
き
出
(
いだ
)
し、さらりと
振
(
ふ
)
つて、
此
(
こ
)
れは
筑前守
(
ちくぜんのかみ
)
ぞや、
又左
(
またざ
)
、
又左
(
またざ
)
、
鐵砲
(
てつぱう
)
打
(
う
)
つなと、
大手
(
おほて
)
の
城門
(
じやうもん
)
を
開
(
ひら
)
かせた、
大閤
(
たいかふ
)
大得意
(
だいとくい
)
の
場所
(
ばしよ
)
だが
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
受けとって押しいただいた
民部
(
みんぶ
)
は、
駕籠
(
かご
)
の上に立ったまま、八ぽうの戦機をきッと見渡したのち、おごそかに
軍師
(
ぐんし
)
たるの
姿勢
(
しせい
)
をとり、
采
(
さい
)
のさばきもあざやかに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お仏壇は、蔦ちゃんが人手にゃ渡さねえ、と云うから、
私
(
わっし
)
は
引背負
(
ひっしょ
)
って、一度内へ
帰
(
けえ
)
ったがね、何だって、お前さん、女人禁制で、蔦ちゃんに、
采
(
さい
)
を
掉
(
ふら
)
せねえで、城を明渡すんだから、
煩
(
むず
)
かしいや。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
卒は元より、小隊の組頭ぐらいなところでは、いつも
戦
(
いくさ
)
は行き当りばッたりだった。大局のことは何も分らないのである。ただ
采
(
さい
)
のうごくまま、号令によって血をかぶり、号令によって突きすすむ。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“采”の意味
《名詞》
(サイ)さいころ。
(サイ)采配。
(出典:Wiktionary)
“采”の解説
采(さい)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
采
常用漢字
中学
部首:⾤
8画
“采”を含む語句
風采
喝采
大喝采
采女
采配
采女正
拍手喝采
采女町
土屋采女正寅直
采地
金采
神采
采蘋
神采奕々
采邑
采録
大喝采裡
喝采鼓舞
風采骨柄
名川采女
...