“采邑”の読み方と例文
読み方割合
さいゆう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「丁未秋日枕山詞伯ノ訪ハルヽヲ喜ブ。」と題した七律が『名家詩録』に載っている。水海道は旗本日下くさか氏の采邑さいゆうで秋場氏は代々その代官をつとめていた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わがうけた采邑さいゆうの一部を割いてこれを禄し、以後、黒田家の客分として、礼遇れいぐうも落とさず、その子孫を世々養ってゆくこと、官兵衛一代だけでなく、明治維新の時にまで及んでいる。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二月二十八日に藤堂とうどう家の儒臣塩田随斎が下総国大貫おおぬきにある主家の采邑さいゆうに赴かんとする途上にわかに病んで没した。享年四十八である。随斎の伝は『日本教育史資料』に載っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)