さい)” の例文
金魚屋きんぎょやは、その住宅じゅうたく土地とちとを抵当ていとうにして老人ろうじんられて、さいさい立退たちのきをせまられている。怨恨えんこんがあるはずだと、当局とうきょくにらんだのであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
さいさい自分じぶん研究けんきうして熟考じゆくかうしてうへ愈々いよ/\わからねば其時そのときはじめて理由りいう説明せつめいしてかすくらゐにしてくのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
かん金解禁きんかいきん計畫けいくわくをしたのは一さいとゞまらなかつたが、種々しゆ/″\事情じじやうめに實現じつげん出來できなかつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
子供こどもは、さい三おじいさんに、こうしてわれたので、なにか返事へんじをしなければわるいとおもったのか
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
吟味ぎんみ致したりと申せども全くは左樣にはあらざるべし其方が心付しに相違さうゐあるまいな其方重役ぢうやくの身を思ひこうを他にゆづる心なるべし予が眼力がんりきによも相違は有るまじとさいおほせらるゝに越前守おそれながら言葉ことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さいってことだ」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
はは戦時中せんじちゅう、この時計とけい疎開先そかいさきっていって、こちらへかえると、時計屋とけいやへみがきにしたこと、そして、それがなかなか手間てまどるので、ちちさい三さいそくにいったことなど、おもしました。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)