さい)” の例文
「それッ、包囲せよ」と、五さいの備えは、ここに初めて行動を起して、許褚の一隊を捕捉せんものと、引っ包んで、天地をゆるがした。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四一野伏等のぶしらはここかしこにさいをかまへ、火を放ちてたからを奪ふ。四二八州はつしうすべて安き所もなく、浅ましき世のつひえなりけり。
「十五日。雪。文礼子ぶんれいし御用にて新城宿より爰元こゝもと通行。」一戸の記に拠れば、武揚等の兵がたてさいを陥れた日である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
庁堂の一段たかいところに、王倫以下のものは左列をして居流れ、晁蓋たちは右側に並んだ。さい中の小頭目こがしらたちは、ことごとく階下だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全軍は府へ入って、城中の官倉を開放し、民生を励まし、窮民をいたわり、余るところの銭糧ぜにかてはこれを車馬に積んで水滸すいこさいへ持って帰った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬麟ばりんは、大小いくさ船の建造係。宋万は金沙灘きんさたんの一さいに住む。王矮虎おうわいこ鄭天寿ていてんじゅもまた、ずっとしも鴨觜灘おうしたんへくだって、おなじく出城でじろの一さいく。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
という楊任の説とが対立していたが、結局、楊昂は我説を張って、遂に、五さいの軍馬を挙げて、追撃に出てしまった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辛くも、たどりついた一さい——宕渠寨とうきょさいのうちへ味方を収めると、彼は、きびしく岩窟いわあなの門をふさぎ、渓谷の柵門を固め、また絶壁の堅城にふかく隠れて
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷のうちには数条の塹壕ざんごうを掘り、さいの諸所には柴を積み、硫黄いおう煙硝えんしょうを彼方此方にかくし、地雷を埋め、火を引く薬線は谷のうちから四山の上まで縦横に張りめぐらして
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここ数ヵ月、葫芦谷ころこくに入って、孔明の設計にかかるさい木柵もくさくなどの構築に当っていた馬岱ばたいは、ようやく既定工事の完了を遂げたとみえて、孔明の許へその報告に来ていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)