トップ
>
際
>
さい
ふりがな文庫
“
際
(
さい
)” の例文
もうまったくの
子供
(
こども
)
ではなく、いくらかもののわかるとし
子
(
こ
)
は、この
際
(
さい
)
いかに
負
(
ま
)
けぬ
気
(
き
)
であっても、それはむだなことと
思
(
おも
)
いました。
青い草
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
るに
今日
(
こんにち
)
一
般
(
ぱん
)
にこの
轉倒
(
てんたふ
)
逆列
(
ぎやくれつ
)
を
用
(
もち
)
ゐて
怪
(
あや
)
しまぬのは、
畢竟
(
ひつきやう
)
歐米文明
(
おうべいぶんめい
)
渡來
(
とらい
)
の
際
(
さい
)
、
何事
(
なにごと
)
も
歐米
(
おうべい
)
の
風習
(
ふうしう
)
に
模倣
(
もほう
)
することを
理想
(
りさう
)
とした
時代
(
じだい
)
に
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此地方
(
このちほう
)
の
砂丘
(
さきゆう
)
は
地震
(
ぢしん
)
ならずとも
崩壞
(
ほうかい
)
することがあるのだから、
地震
(
ぢしん
)
に
際
(
さい
)
して
注意
(
ちゆうい
)
すべきは
當然
(
とうぜん
)
であるけれども、
平日
(
へいじつ
)
に
於
(
おい
)
ても
氣
(
き
)
をつけ
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
自分
(
じぶん
)
について
来
(
く
)
れば
判
(
わか
)
る。
汝
(
そなた
)
は
折角
(
せっかく
)
修行
(
しゅぎょう
)
の
為
(
た
)
めにここへ
寄越
(
よこ
)
されているのであるから、この
際
(
さい
)
できる
丈
(
だけ
)
何彼
(
なにか
)
を
見聞
(
けんぶん
)
して
置
(
お
)
くがよいであろう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
此
(
こ
)
の
両様
(
りやうやう
)
とも
悉
(
くは
)
しく
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
を
記
(
しる
)
さゞれども、
一読
(
いちどく
)
の
際
(
さい
)
、われらが
目
(
め
)
には、
東遊記
(
とういうき
)
に
写
(
うつ
)
したると
同
(
おな
)
じ
状
(
さま
)
に
見
(
み
)
えて
最
(
い
)
と
床
(
ゆか
)
し。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
また葬式
一切
(
いっさい
)
の費用に関しても、
最早
(
もはや
)
自分の衣類道具も片なくなっている
際
(
さい
)
でもあるし、
如何
(
どん
)
な事をするかも知れない
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
案
(
あん
)
ずるに
此類
(
このるい
)
の
石噐
(
せきき
)
は或は
釣糸
(
つりいと
)
を埀るる時に錘りとして用ゐられし事も有るべく、或は鳥を
捕
(
とら
)
ふるに
際
(
さい
)
し
束
(
つか
)
ね糸の端に
括
(
くく
)
り付けられし事も有るべく
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
鉄馬創業
(
てつばそうげふ
)
の
際
(
さい
)
、
大通
(
おほどほ
)
りの
営業別
(
えいげふべつ
)
を
調
(
しら
)
べたるに、
新橋浅草間
(
しんばしあさくさかん
)
に
湯屋
(
ゆや
)
は
一軒
(
いつけん
)
なりしと、
旧
(
ふる
)
けれどこれも
其老人
(
そのらうじん
)
の
話也
(
はなしなり
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
その
際
(
さい
)
人間は、
飽
(
あく
)
まで己れに内在する理性の光りで、是非の判断を下さねばならぬ。理性こそ最高の標準である。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
しかし自分が胃病で苦しんでいる
際
(
さい
)
だから、何とかかんとか弁解をして自己の面目を保とうと思った者と見えて
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
仮
(
か
)
りに一歩を
譲
(
ゆず
)
り、幕末に
際
(
さい
)
して
外国
(
がいこく
)
干渉
(
かんしょう
)
の
憂
(
うれい
)
ありしとせんか、その
機会
(
きかい
)
は
官軍
(
かんぐん
)
東下
(
とうか
)
、徳川
顛覆
(
てんぷく
)
の場合にあらずして、むしろ
長州征伐
(
ちょうしゅうせいばつ
)
の時にありしならん。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
何しろ周三は、其の
際
(
さい
)
氣
(
き
)
がせきゝてゐて、失敗の製作までも
回護
(
かは
)
ふだけ心に
餘裕
(
よゆう
)
がなかツた。雖然奈何なる道を行くにしても
盲者
(
めくら
)
は
杖
(
つえ
)
を持ツことを忘れない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
然
(
しか
)
るに、あの
川
(
かは
)
は
決
(
けつ
)
して
淺
(
あさ
)
くはなかつた。
流
(
なが
)
れも
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
早
(
はや
)
かつた。
次第
(
しだい
)
に
依
(
よ
)
つては
命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれんとも
限
(
かぎ
)
らなかつた。その
危急
(
ききふ
)
の
際
(
さい
)
中根
(
なかね
)
はどう
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
をしたか。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
しかるに数年前、僕は台湾旅行の
際
(
さい
)
同じ場合に
逢
(
あ
)
って、行くにも帰るにも動きのつかなかったことがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
尤も扉には必ず鍵がかゝつてゐるが、硝子が曇りでないから、中の書籍は一
際
(
さい
)
見えるのであつた。
夏ちかきころ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
だからこの
際
(
さい
)
誰かの紹介を貰って、どこでも
好
(
い
)
いから癲狂院を見物したいと云っているんだ。——
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昔
(
むかし
)
からの
傳
(
つた
)
へによりますと、
垂仁天皇
(
すいにんてんのう
)
の
時
(
とき
)
に、
天皇
(
てんのう
)
の
御弟倭彦命
(
おんおとうとやまとひこのみこと
)
が
薨去
(
こうきよ
)
になつた
際
(
さい
)
、その
頃
(
ころ
)
貴人
(
きじん
)
が
死
(
し
)
ぬと、
家臣
(
かしん
)
などが
殉死
(
じゆんし
)
といつて、お
伴
(
とも
)
に
死
(
し
)
ぬ
習慣
(
しゆうかん
)
がありましたので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
などゝ
云
(
い
)
ふ
面々
(
めん/\
)
は、
此
(
こ
)
の
創立
(
さうりつ
)
の
際
(
さい
)
には
尽
(
こと/″\
)
く
未見
(
みけん
)
の人であつたのも
亦
(
また
)
一奇
(
いつき
)
と
謂
(
い
)
ふべきであります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
他の者
次
(
つゐ
)
で
到
(
いた
)
る、岩に近づけば
菩薩
(
ぼさつ
)
の
乳頭
(
にうとう
)
と
覚
(
おぼ
)
しき所に、一穴あり、頭上にも亦穴を
開
(
ひら
)
けり、古人の
所謂
(
いわゆる
)
利根水源は文珠菩薩の
乳
(
ちち
)
より
出
(
い
)
づとは、即ち積雪上を
踏
(
ふ
)
み来りし
際
(
さい
)
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
又
(
また
)
弄
(
ろう
)
されて
千鳥
(
ちどり
)
の
群
(
むれ
)
は
岩
(
いは
)
より
岩
(
いは
)
へと
飛
(
と
)
びかうて
居
(
ゐ
)
ましたが、
斯
(
か
)
かる
際
(
さい
)
にも
絶望
(
ぜつばう
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
んだ
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
は
益々
(
ます/\
)
闇
(
やみ
)
を
求
(
もと
)
めて
迷
(
まよ
)
ふものと
見
(
み
)
え、
一人
(
ひとり
)
の
若者
(
わかもの
)
ありて、
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
襟
(
えり
)
に
埋
(
うづ
)
め
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
地寒
(
ちかん
)
のよわきとつよきとによりて
氷
(
こほり
)
の
厚
(
あつき
)
と
薄
(
うすき
)
との
如
(
ごと
)
し。天に
温冷熱
(
をんれいねつ
)
の三
際
(
さい
)
あるは、人の
肌
(
はだへ
)
は
温
(
あたゝか
)
に
肉
(
にく
)
は
冷
(
ひやゝ
)
か
臓腑
(
ざうふ
)
は
熱
(
ねつ
)
すると
同
(
おな
)
じ
道理
(
だうり
)
也。
気中
(
きちゆう
)
万物
(
ばんぶつ
)
の
生育
(
せいいく
)
悉
(
こと/″\
)
く天地の
気格
(
きかく
)
に
随
(
したが
)
ふゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あしたは
祭礼
(
さいれい
)
の日というので朝から家じゅう
総
(
そう
)
がかりで内外の
取
(
と
)
りかたづけやらふるまいの用意にたてきってる
際
(
さい
)
に、
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
を受けたのである。お政はほとんど
胸中
(
きょうちゅう
)
が
転倒
(
てんとう
)
している。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
何
(
なに
)
かおこつたら
起
(
おこ
)
つたときのことだし、S、H
氏
(
し
)
がまたそんな
隙
(
すき
)
をもつてゐるとも
思
(
おも
)
へなかつた。I
子
(
こ
)
にしたところで、この
際
(
さい
)
新
(
あたら
)
しい
事件
(
じけん
)
を
持
(
も
)
ちあげることは、慵いことだと
思
(
おも
)
はれた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
其後
(
そののち
)
數年間
(
すうねんかん
)
は
春夏
(
しゆんか
)
の
際
(
さい
)
折々
(
をり/\
)
行
(
おこな
)
ふに
過
(
す
)
ぎざりしが、二十五六
歳
(
さい
)
の
頃
(
ころ
)
醫
(
い
)
を
以
(
もつ
)
て
身
(
み
)
を
立
(
た
)
つるに
及
(
およ
)
び、
日夜
(
にちや
)
奔走
(
ほんそう
)
の
際
(
さい
)
頭痛
(
づつう
)
甚
(
はなはだ
)
しき
時
(
とき
)
は
臥床
(
ふしど
)
に
就
(
つ
)
きし
事
(
こと
)
屡
(
しば/\
)
なりしが、
其
(
その
)
際
(
さい
)
には
頭部
(
とうぶ
)
を
冷水
(
れいすゐ
)
を
以
(
もつ
)
て
冷却
(
れいきやく
)
し
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
そう考えて、この
際
(
さい
)
まちがいないであろう。蜂矢は、その方へふりかえった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
余は「罪と罰」第一
卷
(
くわん
)
を
通讀
(
つうどく
)
すること
前後
(
ぜんご
)
二
囘
(
くわい
)
せしが、その
通讀
(
つうどく
)
の
際
(
さい
)
極
(
きは
)
めて
面白
(
おもしろ
)
しと
思
(
おも
)
ひたるは、
殺人罪
(
さつじんざい
)
の
原因
(
げんいん
)
のいかにも
綿密
(
めんみつ
)
に
精微
(
せいび
)
に
畫出
(
くわくしゆつ
)
せられたる
事
(
こと
)
なり、もし
或
(
ある
)
兇漢
(
けふかん
)
ありて
或
(
ある
)
貞婦
(
ていふ
)
を
殺
(
ころ
)
し
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
然るに
分娩
(
ぶんべん
)
の
際
(
さい
)
は非常なる難産にして苦悶二昼夜に
亙
(
わた
)
り、医師の手術によらずば、
分娩
(
ぶんべん
)
覚束
(
おぼつか
)
なしなど人々
立騒
(
たちさわ
)
げる折しも、
恰
(
あたか
)
も陣痛起りて、それと同時に
大雨
(
たいう
)
篠
(
しの
)
を
乱
(
みだ
)
しかけ、
鳴神
(
なるかみ
)
おどろ/\しく
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
今
(
いま
)
、
此
(
この
)
厄難
(
やくなん
)
に
際
(
さい
)
して、
吾等
(
われら
)
の
採
(
と
)
る
可
(
べ
)
き
道
(
みち
)
は
只
(
たゞ
)
二つある、
其
(
その
)
一つは、
何事
(
なにごと
)
も
天運
(
てんうん
)
と
諦
(
あきら
)
めて、
電光艇
(
でんくわうてい
)
と
共
(
とも
)
に
此
(
この
)
孤島
(
はなれじま
)
に
朽果
(
くちは
)
てる
事
(
こと
)
——
然
(
しか
)
しそれは
何人
(
なんぴと
)
も
望
(
のぞ
)
む
處
(
ところ
)
ではありますまい——
他
(
た
)
の
一策
(
いつさく
)
は
他
(
ほか
)
でも
無
(
な
)
い
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
開け、
水天
(
すゐてん
)
の
際
(
さい
)
、
大西洋定期船
(
たいせいやうていきせん
)
の汽笛の聲。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この
際
(
さい
)
、
獲物
(
えもの
)
をくわえたまま
走
(
はし
)
ったほうがいいか、それとも
人間
(
にんげん
)
が、まだ
気
(
き
)
づいていなかったら、じっとして
機会
(
きかい
)
を
待
(
ま
)
ったほうが
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日本
(
にほん
)
は
今
(
いま
)
藝術上
(
げいじゆつじやう
)
の
革命期
(
かくめいき
)
に
際
(
さい
)
して、
思想界
(
しさうかい
)
が
非常
(
ひぜう
)
に
興奮
(
こうふん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
古今東西
(
ここんとうざい
)
の
思想
(
しさう
)
を
綜合
(
そうがふ
)
して
何物
(
なにもの
)
か
新
(
あたら
)
しい
物
(
もの
)
を
作
(
つく
)
らうとして
居
(
ゐ
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
これはその
山體
(
さんたい
)
を
作
(
つく
)
つてゐる
岩石
(
がんせき
)
(
玄武岩
(
げんぶがん
)
)の
性質
(
せいしつ
)
に
因
(
よ
)
るものであつて、その
鎔
(
と
)
けてゐる
際
(
さい
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
流動
(
りゆうどう
)
し
易
(
やす
)
いからである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
正直者
(
しょうじきもの
)
の
香織
(
かおり
)
は、
涙
(
なみだ
)
ながらに、
臨終
(
りんじゅう
)
に
際
(
さい
)
して、
自分
(
じぶん
)
の
心懸
(
こころがけ
)
の
悪
(
わる
)
かったことをさんざん
詫
(
わ
)
びるのでした。しばらくして
彼女
(
かのじょ
)
は
言葉
(
ことば
)
をつづけました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼
(
かの
)
堆
(
うづたか
)
く
積
(
つ
)
める
蛇
(
くちなは
)
の
屍
(
しかばね
)
も、
彼等
(
かれら
)
將
(
まさ
)
に
去
(
さ
)
らむとするに
際
(
さい
)
しては、
穴
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ちて
盡
(
こと/″\
)
く
埋
(
うづ
)
むるなり。さても
清風
(
せいふう
)
吹
(
ふ
)
きて
不淨
(
ふじやう
)
を
掃
(
はら
)
へば、
山野
(
さんや
)
一點
(
いつてん
)
の
妖氛
(
えうふん
)
をも
止
(
とゞ
)
めず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「大丈夫鳴きます。あの鳴き声は昼でも理科大学へ聞えるくらいなんですから、深夜
闃寂
(
げきせき
)
として、
四望
(
しぼう
)
人なく、鬼気
肌
(
はだえ
)
に
逼
(
せま
)
って、
魑魅
(
ちみ
)
鼻を
衝
(
つ
)
く
際
(
さい
)
に……」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是等
(
これら
)
石鏃
(
せきぞく
)
は鳥獸獵の
際
(
さい
)
射損
(
ゐそん
)
じて地に
落
(
を
)
ちたるものなるべく、其存在の
事實
(
じじつ
)
は、如何にコロボックルが鳥獸
捕獲
(
ほくわく
)
の爲め高山に登りし事有るかを告ぐるものたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
一
體
(
たい
)
中根
(
なかね
)
は
平素
(
へいそ
)
は
決
(
けつ
)
して
成績佳良
(
せいせきかりやう
)
の
方
(
はう
)
ではなかつた。
己
(
おれ
)
も
度度
(
たびたび
)
嚴
(
きび
)
しい
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
つた。が、
人間
(
にんげん
)
の
眞面目
(
しんめんもく
)
は
危急
(
ききふ
)
の
際
(
さい
)
に
初
(
はじ
)
めて
分
(
わか
)
る。
己
(
おれ
)
は
中根
(
なかね
)
の
眞價
(
しんか
)
を
見誤
(
みあやま
)
つてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
昨年
(
さくねん
)
、ご
当地
(
とうち
)
で、お
目
(
め
)
どおりいたしました
娘
(
むすめ
)
は、さる
地方
(
ちほう
)
において、
俵
(
たわら
)
を
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねまする
際
(
さい
)
に、
腹帯
(
はらおび
)
が
切
(
き
)
れて、
非業
(
ひごう
)
の
最期
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
現象
(
げんしよう
)
を
少年讀者
(
しようねんどくしや
)
に
向
(
むか
)
つて
説明
(
せつめい
)
することは
頗
(
すこぶ
)
る
難事
(
なんじ
)
であるが、
唯
(
たゞ
)
噴火
(
ふんか
)
の
際
(
さい
)
、
發
(
はつ
)
せられた
數回
(
すうかい
)
の
連續的爆發
(
れんぞくてきばくはつ
)
が
寫眞
(
しやしん
)
に
撮
(
と
)
れたものと
承知
(
しようち
)
して
貰
(
もら
)
ひたい。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
日本
(
にほん
)
でも
徳川柳營
(
とくがはりうえい
)
において、いつのころからか『
地震
(
ぢしん
)
の
間
(
ま
)
』と
稱
(
しやう
)
して、
極
(
き
)
はめて
頑丈
(
ぐわんぜう
)
な一
室
(
しつ
)
をつくり、
地震
(
ぢしん
)
の
際
(
さい
)
に
逃
(
に
)
げこむことを
考
(
かんが
)
へ、
安政大震
(
あんせいだいしん
)
の
後
(
のち
)
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
瓦解
(
ぐわかい
)
の
際
(
さい
)
、
駿府
(
すんぷ
)
へ
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げなかつたんだとか、
或
(
あるひ
)
は
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げて
又
(
また
)
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たんだとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
耳
(
みゝ
)
にした
樣
(
やう
)
であるが、それは
判然
(
はつきり
)
宗助
(
そうすけ
)
の
頭
(
あたま
)
に
殘
(
のこ
)
つてゐなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
際
(
さい
)
私達
(
わたくしたち
)
の
間
(
あいだ
)
に
交
(
かわ
)
された
問答
(
もんどう
)
の
中
(
なか
)
には、
多少
(
たしょう
)
皆様
(
みなさま
)
の
御参考
(
ごさんこう
)
になるところがあるように
思
(
おも
)
われますので、
序
(
ついで
)
にその
要点
(
ようてん
)
だけここに
申
(
もう
)
し
添
(
そ
)
へて
置
(
お
)
きましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
然
(
さ
)
れば
平日
(
ひごろ
)
然
(
さ
)
までに
臆病
(
おくびやう
)
ならざる
輩
(
はい
)
も、
船出
(
ふなで
)
の
際
(
さい
)
は
兎
(
と
)
や
角
(
かく
)
と
縁起
(
えんぎ
)
を
祝
(
いは
)
ひ、
御幣
(
ごへい
)
を
擔
(
かつ
)
ぐも
多
(
おほ
)
かり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
弓矢は
鳥獸獵
(
てうじゆうれう
)
に於ても用ゐられしなるべく、人類
同志
(
どうし
)
の
爭鬪
(
さうとう
)
に於ても用ゐられしならん。或は海獸大魚を
捕獲
(
ほくわく
)
するに
際
(
さい
)
しても用ゐられし事有る可きか。水中に矢を射込む事其
例
(
れい
)
無
(
な
)
きに非ず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
しかし、これを
描
(
か
)
く、
描
(
か
)
かぬは
問題
(
もんだい
)
でなかろう。そして、この
際
(
さい
)
むしろ、
描
(
か
)
くなんかということを
考
(
かんが
)
えないほうがいいのだ。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
のとき
起
(
おこ
)
つた
根府川
(
ねぶがは
)
の
山津浪
(
やまつなみ
)
は、
其
(
その
)
雪崩
(
なだ
)
れ
下
(
くだ
)
る
際
(
さい
)
、
右
(
みぎ
)
のような
現象
(
げんしよう
)
が
或
(
あるひ
)
は
小規模
(
しようきぼ
)
に
起
(
おこ
)
つたかも
知
(
し
)
れない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
いかに、
天變
(
てんぺん
)
の
際
(
さい
)
と
雖
(
いへど
)
も、
麩
(
ふ
)
に
羽
(
はね
)
が
生
(
は
)
えて
飛
(
と
)
ぶ
道理
(
だうり
)
がない。
畜生
(
ちくしやう
)
、
鼠
(
ねずみ
)
の
所業
(
しわざ
)
に
相違
(
さうゐ
)
あるまい。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取りとめもなくちらちら動いている
際
(
さい
)
などに、老人は急に彼を夢の
裡
(
うち
)
から
叩
(
たた
)
き起した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
この
)
機會
(
きくわい
)
に
際
(
さい
)
して
化物
(
ばけもの
)
の
研究
(
けんきう
)
を
起
(
おこ
)
し、
化物學
(
ばけものがく
)
といふ一
科
(
くわ
)
の
學問
(
がくもん
)
を
作
(
つく
)
り
出
(
だ
)
したならば、
定
(
さだ
)
めし
面白
(
おもしろ
)
からうと
思
(
おも
)
ふのである。
昔
(
むかし
)
の
傳説
(
でんせつ
)
、
樣式
(
やうしき
)
を
離
(
はな
)
れた
新化物
(
しんばけもの
)
の
研究
(
けんきう
)
を
試
(
こゝろ
)
みる
餘地
(
よち
)
は
屹度
(
きつと
)
あるに
相違
(
さうゐ
)
ない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
北
(
きた
)
の
国
(
くに
)
のすずめは、
旅
(
たび
)
へきて、
心細
(
こころぼそ
)
く
感
(
かん
)
じていた
際
(
さい
)
に、こうしんせつにいわれると、ほんとうにうれしかったのでした。
温泉へ出かけたすずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“際”を含む語句
交際
水際
際涯
際限
実際
額際
水際立
間際
際立
生際
空際
出際
人交際
手際
壁際
死際
分際
瀬戸際
山際
溝際
...