“機會”のいろいろな読み方と例文
新字:機会
読み方割合
きくわい37.7%
はずみ13.2%
をり13.2%
しほ9.4%
きかい7.5%
はづみ5.7%
とたん1.9%
きっかけ1.9%
きつかけ1.9%
しお1.9%
すき1.9%
ばあひ1.9%
チヤンス1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
非常ひじやうなもんだよ。きみこといてくれた。おれ頭腦づなう明晰めいせきを一層確實そうかくじつ證據しようこだてる機會きくわいあたへてくれたこときみ感謝かんしやするね。ちたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
と、地面に匐つた太い木の根に躓いて、其機會はずみにまだ新しい下駄の鼻緒が、フツリと斷れた。チョッと舌皷して蹲踞しやがんだが、幻想は迹もない。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
つまたゞ一人ひとりあにであれば、あたことならみづか見舞みまひもし、ひさしぶりに故山こざんつきをもながめたいとの願望ねがひ丁度ちやうど小兒せうにのこともあるので、しからばこの機會をりにといふので
ゆづる者ならんと思はれ何所迄どこまでも家來の體に取扱とりあつかはれしは實に特別とくべつ慈悲じひと云べきを却て主税之助は是をよき機會しほなりと藤五郎をはいして實子すけ五郎に家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かくてこれ展望てんぼうをほしいまゝにしたわが郵船ゆうせんはナポリこう到着とうちやくし、ヴェスヴィオを十分じゆうぶん見學けんがく機會きかいとらへられるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
足溜あしだまりなくける機會はづみもの取落とりおとして、一まいはづれし溝板どぶいたのひまよりざら/\とこぼれば、した行水ゆくみづきたなき溝泥どぶどろなり、幾度いくたびのぞいてはたれどれをばなんとしてひろはれませう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つかはされしかば捕方とりかたの者共長庵が宅の表裏おもてうらより一度に込入たる然るに長庵はことわざにいふくさい者の見知みしらずとやら斯かる事とはゆめにも知らず是は何事ぞと驚く機會とたんに上意々々とよばはるを長庵は身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
マーキュ 此方こちからおこさねば、其方そちでは機會きっかけ出來できぬと被言おしゃるか?
『橘さんは餘りらん方ですね。』と云つた樣な機會きつかけから、日下部君と志田君の間に酒の論が湧いて、寢酒の趣味は飮んでる時よりも飮んで了つてからにある
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこへ突如として、九年後の今になって、昨夜ナターリヤ・ヴァシーリエヴナの訃報を耳にしたのを機會しおに、再びあの當時のことが俄かに奇怪な色彩をもって、眼前によみがえってきたのである。
裸なる身にあぶらうちぬり將に互に攻め撲たんとしてまづおさゆべき機會すきをうかゞふ勇士の如く 二二—二四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
近頃ちかごろはそれが段々だん/\いてて、宗助そうすけ機會ばあひも、ねん幾度いくど勘定かんぢやう出來できくらゐすくなくなつたから、宗助そうすけ役所やくしよ出入でいりに、御米およねまたをつと留守るす立居たちゐ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
本當ほんたうかんがへてれば、一寸ちよつとした機會チヤンス、また一秒間びやうかんときめに、未來みらいのどんな運命うんめいないともかぎらないのだ。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)