-
トップ
>
-
機會
>
-
はづみ
足溜りなく
轉ける
機會に
手の
物を
取落して、一
枚はづれし
溝板のひまよりざら/\と
翻れ
入れば、
下は
行水きたなき
溝泥なり、
幾度も
覗いては
見たれど
是れをば
何として
拾はれませう
安全進航の
表章となるべき
球形の
檣燈が、
何かの
機會で
糸の
縁を
離れて、
檣上二十
呎ばかりの
所から
流星の
如く
落下して、あはやと
言ふ
間に
船長が
立てる
船橋に
衝つて、
燈は
微塵に
碎け
彼等は
惡戲者に
水をさゝれて
慌てた
機會に
或夜遁げ
出して
畢つた。それは、
此の
儘では
二人は
迚ても
添はされぬ
容子だからどうしても
一つに
成らうといふのならば
何處へか
二人で
身を
隱すのである。
或日主人の
内儀さんは
偶然とした
機會があつて
勘次に
噺をした。