“翻”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ひるがえ51.7%
ひるが18.2%
かえ10.2%
こぼ5.2%
ひるがへ3.4%
ひる2.2%
ほん1.5%
ひら1.5%
かへ1.2%
かわ0.9%
まく0.6%
めく0.6%
はぐ0.3%
あお0.3%
あふ0.3%
うつ0.3%
はね0.3%
ぽん0.3%
ウツ0.3%
カヘ0.3%
ヒルガエ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岩壁の一外国船に黒地に白を四角に抜いた出帆旗がっていた。一眼でそれが諾威PN会社の貨物船であることを為吉は見て取った。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
脚絆わらじは元より、着物をすべて脱ぎ捨てる。そして、腹巻一つの真っ裸になると、魚のように、身をえして、川の中へり込んだ。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女は身をすと、掛け香を三十もブラ下げたようなしく、艶かしい香気を発散させて、八五郎の膝へ存分に身を投げかけるのでした。
と利かない手をと突いてガックリ起上り、兄三藏の膝の上へ手を載せて兄の顔を見る眼にる涙の雨はら/\と膝にれるのを
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
種々なる旗章は其れり。光景は拿破里に似たれど、ヱズヰオの山の黒烟を吐けるなく、又カプリの島の港口にれるなし。
ですこと」と三千代はがへる様にびた大きな花瓣めてゐたが、からして代助に移した時、ぽうとを薄赤くした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こころよい、なつかしい、身にみる等としていい場合が多い。𪫧怜を「あはれ」とも訓むから、その情調が入っているのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
白の洋装で髪をお垂下にし、丈の長い淡紅色のリボンをめかしながら力漕をつづけているのは、うかたなく彼の少女であッた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
巖陰はさ青に透り黒鯛の尾鰭白々としく
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
すかと見えた雪之丞、居なりで、鉄扇で、ガッと受け止めたが、一尺五寸にも充たぬ扇が長刀の如く伸びたかのように、ジリジリと、助次郎の刀にきついて
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
やり始めると惰力で仕事がとにかくしばらくの間は進行した。時とすると、原書をって照合しなどしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「はてな?」と呟いた右近丸ツトその書物を取り上げたが、まずからスルリと抜き出し、それからパラパラとってみた。と、どうだろう、何にも書いてない。全体がただの白紙なのである。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と得意がった団さんも今日はう甘くは問屋で卸して呉れないものだから、『雨』とある天気予報を又って見ながら
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ときどき風が木々の香りをりながら、彼女のところまでさっと吹いて来た。それが云わば此処で許される唯一の生のにおいだった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
君の水脈こそ身にれ。——
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日本の国語にづけて行った詩のことばことばが、らんぼおやぼおどれいるや、そう言った人の育って来、又人々の特殊化して行ったそれぞれの国語の陰影を吸収して行かないのである。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
布団のけ、つとちあがりて、紀州よ我子よと呼びし時、みてそのまま布団の上に倒れつ、千尋の底に落入りて波わが頭上に砕けしように覚えぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
の旗、錦繍幡旗、さっと隊を開いたかと見れば駿馬は龍爪を掻いて、堂々たる鞍上の一偉夫を、袁紹の前へと馳け寄せてきた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其が凡庸な個人の上にされた民譚・童話にすら、後世式な非難の添はないのも、かうした出発点があるからである。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
珍しい発見をしたやうに、彼は馬から身をしておりた。二人の資人はすぐ、馳け寄つて手綱を控へた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
故ニ都ヲ銀坑洞ト称シ、南蛮王ノ巣トシ、宮殿楼閣ク銀映緑彩、人ハミナ羅衣ニシテ烈朱臙脂濃紫黄藍シ、又好ンデ、橄欖ノ実ヲ噛ミ、酒壺常ニ麦醸果酵ウ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)