“めく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.5%
27.5%
目食12.5%
5.0%
5.0%
5.0%
回転2.5%
2.5%
青縞2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして五六歩あるき階段へ廻る廊下の角の林檎りんごの鉢植の傍まで行くと、老紳士と組んだ腕を解き、右の片手を鉢の縁にかけ、夜会服のすそを膝までめくる。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼は、すばらしい僥倖ぎょうこうを掴んだ。一念になって、牢の中の石ころをめくっているうちに、一匹のがまを見つけたのである。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が呆れて物も言えずにそれを見ていると、人々は互に目食めくわせしたりしながら、笑を含んで、そういう私の方を見守っているらしかった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
『オイ、此本は昌作さんのか?』と頁をめくる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
上の窓からはちきれそうな顔をして、乳房をぎゅっとつつんだ百姓女が覗いておれば、下の窓からは、仔牛が顔をのぞけたり、豚がめく滅法めっぽう鼻面はなづらだけ突きだしている。要するに陳腐な光景である。
『オイ、此本は昌作さんのか?』と頁をめくる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
こたびは青年手に持ちし小枝をそっと水に落とせば、小枝は軽く浮かびて回転めくりつつ、少女おとめの手もと近く漂いぬ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
母はそこのカーテンをめくつて、疊の上に日向を作つて冷吉を坐らせて、自分もそこから外を見やるやうであつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
殊に子供の腰揚げが深く、辨財天、毘沙門天、布袋、福祿壽の腰から下が青縞めくの地にかくれて、裾と足とだけが見えるのは興が深い。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)