目食めく)” の例文
この時小綺麗こぎれいな顔をした、田舎出らしい女中が、かんを附けた銚子ちょうしを持って来て、障子を開けて出すと主人が女房に目食めくわせをした。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私が呆れて物も言えずにそれを見ていると、人々は互に目食めくわせしたりしながら、笑を含んで、そういう私の方を見守っているらしかった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「おい。不思議な事があるよ。」男はこう云って目食めくばせをして女をそばへ呼んだ。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
先に這入つた年上の僧が目食めくはせをすると、あとから這入つた若い僧が五郎兵衛を押しけて戸締とじまりをした。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
平八郎は一行に目食めくはせをして、此舟に飛び乗つた。あとから十三人がどや/\と乗込のりこんだ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
戸川は主人に目食めくわせをした。「いや。大変遅くなった。もうおいとまをします。」
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)