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ひる
ふりがな文庫
“
翻
(
ひる
)” の例文
旧字:
飜
「
好
(
い
)
い
香
(
にほひ
)
ですこと」と三千代は
翻
(
ひる
)
がへる様に
綻
(
ほころ
)
びた大きな
花瓣
(
はなびら
)
を
眺
(
なが
)
めてゐたが、
夫
(
それ
)
から
眼
(
め
)
を
放
(
はな
)
して代助に移した時、ぽうと
頬
(
ほゝ
)
を薄赤くした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お君はそう云うと、身体を
翻
(
ひる
)
がえして、上気した頬のまゝ、階段を跳ね降りて行った。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ところが二カ月の末になって、僕は突然自分の片意地を
翻
(
ひる
)
がえさなければ不利だという事に気がついた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
独立した生計を営なんで行かなければならないという父の意見を
翻
(
ひる
)
がえさせたものは堀の力であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
津田の眼に残った瞬間の印象は、ただうつくしい模様の
翻
(
ひる
)
がえる様であった。彼は動き去ったその模様のうちに、昨夕階段の下から見たと同じ色を認めたような気がした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
今の兄は
翻
(
ひる
)
がえしがたい堅い決心をもって自分に向っているとしか自分には見えなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが写実主義というものは別に
旗幟
(
きし
)
を
翻
(
ひる
)
がえして浪漫派の
向
(
むこう
)
を張ってるんだから
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
思う間もなく色のあるものは、濁った
空
(
くう
)
の中に消えてしまう。
漠々
(
ばくばく
)
として無色の
裡
(
うち
)
に包まれて行った。ウェストミンスター橋を通るとき、白いものが一二度眼を
掠
(
かす
)
めて
翻
(
ひる
)
がえった。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう解釈しつつも当時に出来上った信はまだ不自覚の間に残っていた。突如として彼女が関と結婚したのは、身を
翻
(
ひる
)
がえす
燕
(
つばめ
)
のように早かったかも知れないが、それはそれ、これはこれであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
翻
常用漢字
中学
部首:⽻
18画
“翻”を含む語句
翻弄
翻然
翻筋斗
翻々
翩翻
虞翻
掀翻
翻身
翻覆
翻訳
海翻車
翻案
任翻
翻意
翻倒
翻訳料
翻訳名義集
翻訳書
翻訳的
翻訳口調
...