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ひるがへ
ふりがな文庫
“
翻
(
ひるがへ
)” の例文
旧字:
飜
種々
(
くさ/″\
)
なる旗章は其
尖
(
さき
)
に
翻
(
ひるがへ
)
れり。光景は
略
(
ほ
)
ぼ
拿破里
(
ナポリ
)
に似たれど、ヱズヰオの山の黒烟を吐けるなく、又カプリの島の港口に
横
(
よこたは
)
れるなし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
が、
肝腎
(
かんじん
)
の天神様へは
容易
(
ようい
)
に出ることも出来なかつた。すると道ばたに女の子が
一人
(
ひとり
)
メリンスの
袂
(
たもと
)
を
翻
(
ひるがへ
)
しながら、
傍若無人
(
ばうじやくぶじん
)
にゴム
毬
(
まり
)
をついてゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして主人の劇しく身を
翻
(
ひるがへ
)
して引き返す時、その着てゐる青い着物の裾で払はれて驚いて目を挙げる。
フロルスと賊と
(新字旧仮名)
/
ミカイル・アレクセーヴィチ・クスミン
(著)
運河の岸まで歩いて来ると、潮気のある風が海から吹いて来て、二人の着物の裾を
翻
(
ひるがへ
)
す。二人は色々に塗つた仮面の下の熱した頬の上に、暁の冷たい息を感じたのである。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
倘
(
も
)
し、この危機に処して、一家の女房たるものが、少しく
怜悧
(
れいり
)
であつたならば、
狂瀾
(
きやうらん
)
を既に倒るゝに
翻
(
ひるがへ
)
し、危難を
未
(
いま
)
だ来らざるに
拒
(
ふせ
)
ぐは、さして難い事では無いのである。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
文人若し其許可を得れば
恰
(
あたか
)
も重爵厚俸を得しが如くに喜びたりき。然れども
翻
(
ひるがへ
)
つて彼の家政を察すれば即ち貧太甚しかりき。文政六年彼れ家を鴨河の岸三本木に買ひ水西荘と称す。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
想像は忽ち
翻
(
ひるがへ
)
つて、医学博士磯貝
皭
(
きよし
)
君の目が心に浮ぶ。若いやうな年寄つたやうな、
蒼白
(
あをじろ
)
い
皺
(
しわ
)
のある顔から、細い鋭い目が、何か物を
覗
(
ねら
)
ふやうな表情を以て、
爛々
(
らんらん
)
としてかゞやく。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
あちこち
翻
(
ひるがへ
)
し見給ひしが、忽ち我面を仰ぎ視て、おん身はアヌンチヤタの同じ時ナポリに在りしをば、まだ我に告げ給はざりきと宣給ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこで
翻
(
ひるがへ
)
つて三円の
果亭
(
くわてい
)
を見ると、断じて果亭だと言明する事が出来ないにしても、同様に又断じて果亭でないとも言明する事の出来ないものである。
鑑定
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
品は初一念を
翻
(
ひるがへ
)
さずに、とう/\二十で情交を結んだ綱宗が七十二の
翁
(
おきな
)
になつて歿するまで、忠実に仕へて、綱宗が歿した時尼になつて、浄休院と呼ばれ、仙台に往つて享保元年に七十八歳で死んだ。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
顏、手、足なんどをば、薔薇の花もて作りたり。こあらせいとう(マチオラ)の花、青き「アネモオネ」の花などにて、風に
翻
(
ひるがへ
)
りたる衣を織り成せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ボオドレエルがパイプの詩は
元
(
もと
)
より、Lyra Nicotiana を
翻
(
ひるがへ
)
すも、西洋詩人の喫煙を
愛
(
め
)
づるは、東洋詩人の
点茶
(
てんちや
)
を悦ぶと
好一対
(
かういつつゐ
)
なりと云ふを得べし。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時に「オリアンタアル」の作者、忽ち破顔して答ふるやう、「詩人は唯
一人
(
いちにん
)
あるのみとや。善し、さらば我は
如何
(
いかに
)
」と。意コツペエが言を
翻
(
ひるがへ
)
しておのが仰損を示せるなり。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翻
(
ひるがへ
)
つて僕自身のことを考へると、——
尤
(
もつと
)
も僕の小説は水上君の小説よりも
下手
(
へた
)
かも知れない。
変遷その他
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
界隈
(
かいわい
)
の家々の上に五月
幟
(
のぼり
)
の
翻
(
ひるがへ
)
つてゐたのは僕の小学時代の話である。今では、——誰も五月
幟
(
のぼり
)
よりは新しい日本の年中行事になつたメイ・デイを思ひ出すのに違ひない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翻
常用漢字
中学
部首:⽻
18画
“翻”を含む語句
翻弄
翻然
翻筋斗
翻々
翩翻
虞翻
掀翻
翻身
翻覆
翻訳
海翻車
翻案
任翻
翻意
翻倒
翻訳料
翻訳名義集
翻訳書
翻訳的
翻訳口調
...