“狂瀾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうらん90.0%
きやうらん10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長島城中一場の惨劇は、忽ち、ここの家中の足もとから、その夜からでも、四面の国境がみな戦乱と化すような、狂瀾きょうらんの心理を捲き起した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようやく笑いがやみそうになったら、五つになる女の子が「御かあ様、猫も随分ね」といったので狂瀾きょうらん既倒きとうに何とかするという勢でまた大変笑われた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
泡立あはだなみ逆卷さかまうしほ一時いちじ狂瀾きやうらん千尋せんじんそこ卷込まきこまれたが、やゝしばらくしてふたゝ海面かいめん浮上うかびあがつたとき黒暗々こくあん/\たる波上はじやうには六千四百とん弦月丸げんげつまるかげかたちもなく
し、この危機に処して、一家の女房たるものが、少しく怜悧れいりであつたならば、狂瀾きやうらんを既に倒るゝにひるがへし、危難をいまだ来らざるにふせぐは、さして難い事では無いのである。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)