狂瀾きやうらん)” の例文
泡立あはだなみ逆卷さかまうしほ一時いちじ狂瀾きやうらん千尋せんじんそこ卷込まきこまれたが、やゝしばらくしてふたゝ海面かいめん浮上うかびあがつたとき黒暗々こくあん/\たる波上はじやうには六千四百とん弦月丸げんげつまるかげかたちもなく
し、この危機に処して、一家の女房たるものが、少しく怜悧れいりであつたならば、狂瀾きやうらんを既に倒るゝにひるがへし、危難をいまだ来らざるにふせぐは、さして難い事では無いのである。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
白雲はくうんひくび、狂瀾きやうらんてんをど印度洋上インドやうじやう世界せかい大惡魔だいあくまかくれなき七せき大海賊船だいかいぞくせんをば、木葉微塵こつぱみぢん粉韲うちくだいたるわが帝國軍艦ていこくぐんかん」と、神出鬼沒しんしゆつきぼつ電光艇でんくわうていとは、いまげんをならべて
つね此點このてんむかつてふかこゝろもちゐ、狂瀾きやうらん逆卷さかま太洋たいやうめんおいて、目指めざ貨物船くわぶつせん撃沈げきちんする塲所ばしよかなら海底かいていふかさ五十米突メートルらぬ島嶼たうしよ附近ふきんか、大暗礁だいあんせうまた海礁かいせうよこたはつて塲所ばしよかぎつてさうだ。