“きょうらん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狂瀾73.9%
狂乱13.0%
凶乱4.3%
橋欄4.3%
狂爛4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長島城中一場の惨劇は、忽ち、ここの家中の足もとから、その夜からでも、四面の国境がみな戦乱と化すような、狂瀾きょうらんの心理を捲き起した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老公の家臣が、水戸のひとが捕われている。ということを知っただけでも、彼女の胸はさっきから狂瀾きょうらんに似て鳴りさわいでいた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようやく笑いがやみそうになったら、五つになる女の子が「御かあ様、猫も随分ね」といったので狂瀾きょうらん既倒きとうに何とかするという勢でまた大変笑われた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二ヵ所の狂瀾きょうらんはすさまじい旋風せんぷうのごとく、たばしる血汐ちしお丁々ちょうちょうときらめくやいば、目もけられない修羅しゅらの血戦。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「賛成賛成」の声が四方から起こった。狂瀾きょうらんのごとき公憤こうふんの波はおさまって一同はぞろぞろ家へ帰った。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
あなたの帰幽きゆう当時とうじの、あのはげしい狂乱きょうらん執着しゅうじゃく……とてもわたくしなどのえたものではありませぬ。
かれは浴室に立ちこめた湯気ゆげの中にじっと裸身らしんえ、ながいこと、だれの眼にも見えない孤独こどく狂乱きょうらんを演じていたのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
わたしは、ロボが狂乱きょうらんしているのを知ったから、いよいよわなを要所要所にかけておいた。
問『ではいままでただお姿すがたせないというだけで、あなたさまわたくし狂乱きょうらん状態じょうたいかげからすっかり御覧ごらんになってはられましたので……。』
暁からの本能寺ほんのうじの煙が、まだ太陽のおもてに墨を流しているうちに、凶乱きょうらんの張本人、光秀の名と、信長の死は、極度な人心の愕きに作用されて、かなり遠方まで、国々の耳をつらぬいて行った。
その魚の躍った空にも、まばらながらもう星の光が見えて、蔦蘿つたかずらのからんだ橋欄きょうらんの形さえ、いち早い宵暗の中にまぎれている。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
見上げると、もう橋の上には鮮かな入日の光が消えて、ただ、石の橋欄きょうらんばかりが、ほのかに青んだ暮方くれがたの空を、黒々と正しく切り抜いている。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まぐろのいろの狂爛きょうらんのかげにたぎり立つ油の音の怒濤どとうである。
雷門以北 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)