“橋欄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうらん50.0%
けうらん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見上げると、もう橋の上には鮮かな入日の光が消えて、ただ、石の橋欄きょうらんばかりが、ほのかに青んだ暮方くれがたの空を、黒々と正しく切り抜いている。が、女は未だに来ない。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
見上げると、高い石の橋欄きょうらんには、蔦蘿つたかずらが半ばいかかって、時々その間を通りすぎる往来の人の白衣はくいの裾が、鮮かな入日に照らされながら、悠々と風に吹かれて行く。が、女は未だに来ない。
尾生の信 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
樹木の茂つた、深く穿たれた渓流の潺湲が、やがて橋欄けうらんの間から微にそれと指さゝれて見えた。汽車は轟々ぐわう/\として鉄橋をわたつて行つた。
水源を思ふ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)