“垂下”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たれさが44.1%
ぶらさが23.5%
ぶらさ11.8%
すいか5.9%
たれさ5.9%
さが2.9%
さげ2.9%
したた2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
写真で知つて居る詩人の垂下たれさがつた長いひげう白く成つて居るかと云ふ様な事を聞いた。詩人は故郷の白耳義ベルジツクを旅行して居るのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「そんな事を言はずに自分もちつ気凛きりつとするが可い、帯の下へ時計の垂下ぶらさがつてゐるなどは威厳を損じるぢやないか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
手に大きな箱を垂下ぶらさげていた。盲目で竹の杖を突きながらとぼとぼと私の後方うしろについて来たが、途中から、私に手を引いてくれいといった。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それでも、西面南部せいめんなんぶの二横穴よこあなは、大概たいがい發掘はつくつをはり、其岩壁そのがんぺき欠壞けつくわいして、おく貫通くわんつうしてこと判明はんめいし、また石灰分せきくわいぶん岩面がんめん龜裂きれつ部分ぶぶんから漏出らうしゆつして、小鐘乳石せうしやうにふせき垂下すいかしてるのを發見はつけんした。
特に黒い喪服を着け黒いしゃを長く垂下たれさげて歩く婦人の多くなったことを取りたてて言うまでもなく、二人はそれを町で行き逢ういかなる人の姿にも読むことが出来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その刃先の下の(〔ところに〕)つばのようなものがあって、それから金襴きんらんあるいはシナの五色の上等縮緬が一丈六尺程垂下さがって居る。その全体の長さは二丈五尺程ある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
白の洋装で髪をお垂下さげにし、丈の長い淡紅とき色のリボンをひらめかしながら力漕をつづけているのは、まごうかたなく彼の少女であッた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
牝馬めすうまの腹に獣骨の管を挿入さしいれ、奴隷どれいにこれをかせて乳を垂下したたらせる古来の奇法きほうが伝えられている。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)