“垂髪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おさげ37.5%
さげ25.0%
さげがみ12.5%
たりがみ12.5%
おすべらかし6.3%
たれがみ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その叫びで、十三の痩せて雀斑そばかすだらけのアーニャは、生え際まで赧くなった。彼女は憤ったように垂髪おさげを背中の方へ振りさばいて、叔母を睨んだ。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
その横の化粧部屋で、妾は久し振りにお垂髪さげって、新しいフェルト草履ぞうりを突っかけながら、振り袖のヨソユキと着かえていた。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
翻りてくれないのリボンかけたる垂髪さげがみの——十五ばかりの少女おとめ入り来たり、中将が大の手にさき読本をささげ読めるさまのおかしきを、ほほと笑いつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
わらは肩に頬をあてうつら振る垂髪たりがみ黒し肩にしばしば
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その光の輪の中に、黒漆ぬりの馬盥ばたらいが、水を張って据えてあり、その向こう側に、髪を垂髪おすべらかしにし、白布で襷をかけた女が坐っていた。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
届かぬくつ爪先つまさきをやつと床に降して、ジェインは振り向く。二つに分けた亜麻あま色の垂髪たれがみは、今年わづかに肩先を越えたばかり、それをゆすつて澄みかへつた瞳を、師と呼べば呼べる人のおもてに挙げた。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)