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垂髪
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おさげ
ふりがな文庫
“
垂髪
(
おさげ
)” の例文
その叫びで、十三の痩せて
雀斑
(
そばかす
)
だらけのアーニャは、生え際まで赧くなった。彼女は憤ったように
垂髪
(
おさげ
)
を背中の方へ振りさばいて、叔母を睨んだ。
街
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「そうそう。あの時山木の
女
(
むすめ
)
と並んで、
垂髪
(
おさげ
)
に
結
(
い
)
って、ありあ何とか言ったっけ、
葡萄色
(
ぶどういろ
)
の
袴
(
はかま
)
はいて澄ましておどってたのは、たしか浪さんだっけ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その小さな
垂髪
(
おさげ
)
をしてる後ろ姿を見たとき、彼女は震え上がった。彼女は娘のあとを追っかけた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼女は昔よりもほんの少し大きくなったかと思われる。あのみごとな
垂髪
(
おさげ
)
も、今では頭にまきつけてある。ところがハンス・ハンゼンのほうは、昔とちっとも変わっていない。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
相見るたびに少年少女ながら二人は
仄
(
ほの
)
かな微笑と
首肯
(
うなづき
)
との眼を交はし、唇を動かした。私は厚かましく彼女の教室を
覗
(
のぞ
)
き、彼女の
垂髪
(
おさげ
)
に触れたり、机の
蓋
(
ふた
)
をはぐつてお清書の点を検べたりした。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
▼ もっと見る
お前さんの髪は、あの小部屋で、首に巻きつけた
垂髪
(
おさげ
)
を人が解いてくれたその時から、もうまっ白だったんだよ。けれどあの人は生きてるよ。しかももう、責めも苛なみもされない境涯なんだよ。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
華美
(
はで
)
なるカシミールのショールと
紅
(
くれない
)
のリボンかけし
垂髪
(
おさげ
)
とはるかに上等室に消ゆるを目送して、歩を返す時、千々岩の唇には恐ろしき微笑を浮かべたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
垂髪
(
おさげ
)
をうしろへ投げるようにして、ほっと息をつきつき、彼と向き合いに立った。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
わたしは自分の
垂髪
(
おさげ
)
をぐいと握って、それで縊れようとしました。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
豊かな
明色
(
ブロンド
)
の
垂髪
(
おさげ
)
と、笑を含んだ切れ長の碧い眼と、鼻の上に薄くかかっているそばかすとを持った面影である。彼女の声にこもっていた響きが耳について、彼は寝つくことができなかった。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
垂
常用漢字
小6
部首:⼟
8画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“垂”で始まる語句
垂
垂下
垂木
垂々
垂井
垂涎
垂氷
垂簾
垂水
垂布