“垂涎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すいぜん79.2%
すいえん8.3%
よだれ8.3%
すいせん4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、心の底からそれに垂涎(すいぜん)した。価は、二十五人扶持の彼にとっては、力に余る三両という大金だった。が、彼は前後の思慮もなかった。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
絵は千年を経ているけれども、色彩、ことに赤は、昨日硯海(けんかい)を飛び出したほどの鮮かさである。そうして、その道の丹青家をして垂涎(すいえん)せしめる。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「え」と云いながら顔を上げた独仙君の山羊髯(やぎひげ)を伝わって垂涎(よだれ)が一筋長々と流れて、蝸牛(かたつむり)の這った迹(あと)のように歴然と光っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
曾(か)つては、将軍の台覧にも供え、元禄年中の城主柳沢吉保(やなぎさわよしやす)も、垂涎(すいせん)措(お)かなかったといわれる——土佐光吉(とさみつよし)の歌仙図に近衛信尹(このえのぶただ)の讃(さん)のある——紙数にすればわずか十二、三枚の薄い帖(じょう)だった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)