垂涎よだれ)” の例文
「え」と云いながら顔を上げた独仙君の山羊髯やぎひげを伝わって垂涎よだれが一筋長々と流れて、蝸牛かたつむりの這ったあとのように歴然と光っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ヘクトーは元気なさそうに尻尾しっぽを垂れて、私の方へ背中を向けていた。手水鉢を離れた時、私は彼の口から流れる垂涎よだれを見た。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)