“すいえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
炊煙48.7%
水煙20.5%
炊烟7.7%
垂涎5.1%
唾涎2.6%
水烟2.6%
水辺2.6%
綏遠2.6%
翠烟2.6%
酔艶2.6%
錘鉛2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところどころに立つ炊煙すいえんはのどかに風にゆれて林をめぐり、お宮の背後うしろへなびき、それからうっとりとかすむ空のエメラルド色にまぎれゆく。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
峠のかげにもう陽は沈み、多宝塔の屋根の水煙すいえんだけが、七宝の珠でちりばめたように、燦々きらきらと夕陽の端をうけている。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
革命の風雲いまだ天下を動かすに足らずといえども、その智勇弁力ある封建社会の厄介物やっかいものたる——小数人士の脳裡のうりには、百万の人家簇擁そうようして、炊烟すいえん東海の天を蔽う、堂々たる大江戸も
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
殊にこの紀行を見ると毎日西瓜何銭という記事があるのを見てこの記者の西瓜好きなるに驚いたというよりもむしろ西瓜好きなる余自身は三尺の垂涎すいえんを禁ずる事が出来なかった。
徒歩旅行を読む (新字新仮名) / 正岡子規(著)
たまっていた唾涎すいえんをのみ下すように、そこの杯洗でぐびぐびとあおってしまいました。
虹汀、修禅の機鋒きほうを以て、身を転じてくうを斬らせ、咄嵯とっさに大喝一下するに、の武士白刃と共に空を泳いで走る事数歩、懸崖の突端より踏みはずし、月光漫々たる海中に陥つて、水烟すいえんと共に消え失せぬ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ると、水辺すいえんの、とある巨大おおきいわうえには六十前後ぜんごゆる、一人ひとり老人ろうじんが、たたずんで私達わたくしたちるのをってりました。
蒙疆もうきょうに境する綏遠すいえん寧夏ねいかに隣接して、未開の文化は中原のように華やかでないが、多分に蒙古族の血液をまじえ、兵は強猛で弓槍馬技に長じ、しかも北方の民の伝統として
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
跣足はだし柳条りゅうじょうに魚のあぎと穿うがった奴をぶらさげて川からあがって来たらしい漁夫もあり、柳がところどころに翠烟すいえんめている美しい道路を、士農工商樵漁しょうぎょ、あらゆる階級の人〻が右徃左徃うおうさおうしている。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
杯のひまにはふと、化粧崩れを直したり、いつのまにか衣裳を着代えて現われたり、いつにない酔艶すいえんあやしいばかりに見える。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まっすぐで、規則正しく、冷然として、垂直になっており、定規をあて墨繩すみなわを引き錘鉛すいえんをたれて作られたもののようだった。