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水煙
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すいえん
ふりがな文庫
“
水煙
(
すいえん
)” の例文
なお、刈込垣の前方には、パルナス群像の噴泉があって、法水が近づくと、突如奇妙な音響を発して
水煙
(
すいえん
)
を上げはじめた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
峠のかげにもう陽は沈み、多宝塔の屋根の
水煙
(
すいえん
)
だけが、七宝の珠でちりばめたように、
燦々
(
きらきら
)
と夕陽の端をうけている。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
九輪の尖端には
水煙
(
すいえん
)
と称する網状の金属の飾りがついているが、この水煙には
飛行
(
ひぎょう
)
奏楽する天女の一群が配してある。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
周章狼狽
(
あわてふためき
)
戸外
(
こぐわい
)
に
飛出
(
とびだ
)
して
見
(
み
)
ると、
今迄
(
いまゝで
)
は
北斗七星
(
ほくとしちせい
)
の
爛々
(
らん/\
)
と
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
つた
空
(
そら
)
は、
一面
(
いちめん
)
に
墨
(
すみ
)
を
流
(
なが
)
せる
如
(
ごと
)
く、
限
(
かぎ
)
りなき
海洋
(
かいやう
)
の
表面
(
ひやうめん
)
は
怒濤
(
どたう
)
澎湃
(
ぼうはい
)
、
水煙
(
すいえん
)
天
(
てん
)
に
漲
(
みなぎ
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
塔の高さと実によく釣り合ったこの相輪の頂上には、美しい
水煙
(
すいえん
)
が、塔全体の調和をここに集めたかのように、かろやかに、しかも
千鈞
(
せんきん
)
の重味をもって掛かっている。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
ときどき塔の
相輪
(
そうりん
)
を見上げて、その
水煙
(
すいえん
)
のなかに
透
(
す
)
かし
彫
(
ぼり
)
になって一人の天女の
飛翔
(
ひしょう
)
しつつある姿を、どうしたら一番よく捉まえられるだろうかと角度など工夫してみていた。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そして、その一帯な竹林の中から、古い塔の
水煙
(
すいえん
)
や、
阿弥陀堂
(
あみだどう
)
の屋根や、鳥居のあたまが浮いている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
塔の
九輪
(
くりん
)
頂上にそそり立つ
水煙
(
すいえん
)
が、澄みわたった秋空にくっきり浮び上っている。
蜻蛉
(
とんぼ
)
のとびかう
草叢
(
くさむら
)
の
径
(
みち
)
をとおって、荒廃した北大門をくぐり、直ちに金堂へまいる。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
頂法寺の塔の
水煙
(
すいえん
)
に、朝の
陽
(
ひ
)
がちかと光っていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“水煙”の意味
《名詞》
細かい水の煙。
相輪の最上部にある装飾
水にタバコの煙を通して喫煙する器具。
(出典:Wiktionary)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
煙
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“水煙”で始まる語句
水煙管
水煙草
水煙渺