垂涎すいえん)” の例文
絵は千年を経ているけれども、色彩、ことに赤は、昨日硯海けんかいを飛び出したほどの鮮かさである。そうして、その道の丹青家をして垂涎すいえんせしめる。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
殊にこの紀行を見ると毎日西瓜何銭という記事があるのを見てこの記者の西瓜好きなるに驚いたというよりもむしろ西瓜好きなる余自身は三尺の垂涎すいえんを禁ずる事が出来なかった。
徒歩旅行を読む (新字新仮名) / 正岡子規(著)
昨日けんを発したばかりの色なんです、今時の代用安絵具とは違います、絵かきが垂涎すいえんしておりますよ、こんな朱が欲しいものだ、ドコカラ来た、舶来? 国産? いかなる費用と労力をかけても
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)