炊烟すいえん)” の例文
谷というけれども、若干の人家が炊烟すいえんを揚げている尋常一様の山間の一部落なのであります。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
革命の風雲いまだ天下を動かすに足らずといえども、その智勇弁力ある封建社会の厄介物やっかいものたる——小数人士の脳裡のうりには、百万の人家簇擁そうようして、炊烟すいえん東海の天を蔽う、堂々たる大江戸も
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
なし薄暮風収まる時きそって炊烟すいえん棚曳たなびかすさままさ江南沢国こうなんたくこくの趣をなす。