“棚曳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たなび96.0%
たなびい4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上杉の隣家となりは何宗かの御梵刹おんてらさまにて寺内じない広々と桃桜いろいろうゑわたしたれば、此方こなたの二階より見おろすに雲は棚曳たなびく天上界に似て
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
東洋の端にある日本のことなどかすみ棚曳たなびいた空のように、空漠くうばくとしたブランクの映像のまま取り残されているのだと梶は思うと、その一隅から
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)
来年、この北国ほっこくの山や野が若々しい緑でおおわれて、早咲の山桜の花が散って、遠野に白いけむり棚曳たなびいて、桃の花が咲く時分にならなければ帰って来ない。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)