“棚曝”の読み方と例文
読み方割合
たなざら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
棚曝たなざらしになった聖賢の伝記、読み捨てられた物語、獄中の日誌、世に忘れられた詩歌もあれば、酒と女と食物くいものとの手引草もある。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いかにも棚曝たなざらしの安物らしいヘラヘラのネクタイやワイシャツをつけていて、それらは、それらの持主の人間までを棚曝しの安物のように見せるのにみごとに役立つのであった。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
店の品物が、だんだん棚曝たなざらしになったころには、父親と叔母との間も、初めのようにはなかった。叔母が世話をしてくれたある生糸商店の方の口も、自分の職業となると、長くは続かなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)