“空漠”の読み方と例文
読み方割合
くうばく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十数日を野や山に伏して、ひたすらこの地点まで、と、一図に働き、ついに成ったあとのあの空漠くうばくとした疲労をお互いに感じあって。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
これは何となく信じ難い、変てこな事実であった。空漠くうばくたる五ヶ月間が、犯罪動機と犯罪そのものとの連鎖れんさを、ブッツリ断ち切っていた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と、何処どこか見当の付かぬ処で、大きなおならの音がした。かの女の引締ひきしまって居た気持を、急に飄々ひょうひょうとさせるような空漠くうばくとした音であった。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)