冬の太陽は僅かに乏しい光となって、層雲に蔽われたまま、白々と力なく、狭い町の上にかかっていた。破風屋根の多い小路小路はじめじめして風がひどく、時折、氷とも雪ともつかぬ、柔らかい霰のようなものが降って来た。 学校が退けた。鋪石の敷いてある中庭 …
著者 | パウル・トーマス・マン |
翻訳者 | 実吉捷郎 |
ジャンル | 文学 > ドイツ文学 > 小説 物語 |
原題 | TONIO KRÖGER |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約2時間9分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約3時間35分(300文字/分) |