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垂下
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ぶらさが
ふりがな文庫
“
垂下
(
ぶらさが
)” の例文
「そんな事を言はずに自分も
些
(
ちつ
)
と
気凛
(
きりつ
)
とするが可い、帯の下へ時計の
垂下
(
ぶらさが
)
つてゐるなどは威厳を損じるぢやないか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あわたゞしい電車の吊皮に
垂下
(
ぶらさが
)
りながら、晴代はつくづく思ふのだつた。それもさう大した慾望ではなかつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ある日の事青山三丁目から電車に乗り込んで吊り皮に
垂下
(
ぶらさが
)
つてゐると、
直前
(
すぐまへ
)
に腰を掛けてゐる
海驢
(
あしか
)
のやうな顔をした海軍大尉が、急に挙手注目して席を譲つて呉れた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
見るともなく見ると、昨夜想像したよりもいっそうあたりは
穢
(
きた
)
ない。天井も張らぬ
露
(
む
)
きだしの屋根裏は真黒に
燻
(
くす
)
ぶって、
煤
(
すす
)
だか虫蔓だか、今にも落ちそうになって
垂下
(
ぶらさが
)
っている。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
が、我々は不自由な郊外生活を喜んで、毎日往復の時間を無駄にしても、釣革に
垂下
(
ぶらさが
)
って満員の中に押し潰されそうになっても猶お交通の便利を心から難有がるほど呑気にはなれない。
駆逐されんとする文人
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
其の後から大勢の人足がわい/\謂ツて騷いで行くことや、または街頭に
俥
(
くるま
)
に
挽
(
ひ
)
かれて板のやうにひしやげた鼠の
骸
(
むくろ
)
や、屋根の上に啼いてゐる
鴉
(
からす
)
や電信柱に
垂下
(
ぶらさが
)
ツて猿のやうに仕事をしてゐる人や
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
親「まア
怪
(
け
)
しからねえ奴だねえ、無闇とお客を落すなどゝは
苛
(
ひど
)
い奴です、
嘸
(
さぞ
)
お腹が立ちましたろう、何しろ着物を貸して上げましょう、風を引くといけません、
何
(
なん
)
です
紅
(
あか
)
い扱帯が
垂下
(
ぶらさが
)
っていますねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それまでにお増は幾度となく、下宿と先の家との間を
往来
(
ゆきき
)
したが、通りがかりに見る暮れの気の
忙
(
せわ
)
しい町のさまが、そうして宙に
垂下
(
ぶらさが
)
っているような不安定な心持に、一層あわただしく映った。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“垂下”の意味
《名詞》
垂下(すいか)(歴史的仮名遣い: すゐか)
垂れ下がること。また、垂れ下げること。
(出典:Wiktionary)
垂
常用漢字
小6
部首:⼟
8画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“垂”で始まる語句
垂
垂木
垂々
垂井
垂涎
垂髪
垂氷
垂簾
垂水
垂幕