“紗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃ72.1%
しや15.3%
うすぎぬ3.6%
うすもの2.7%
きれ1.8%
さ1.8%
きぬ0.9%
ベール0.9%
ヴェール0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
特に柔らかい肩のあたりの薄い纏衣(てんい)などはその紗(しゃ)でもあるらしい布地の感じとともに中につつんだ女の肉体の感じをも現わしている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
鎧(がい)、紫(むらさき)の紗(しや)を伸(の)べて四十里(しじふり)の歩障(ほしやう)を造(つく)れば、崇(そう)は錦(にしき)に代(か)へて是(これ)を五十里(ごじふり)に張(は)る。武帝(ぶてい)其(そ)の舅(しうと)に力(ちから)を添(そ)へて、まけるなとて、珊瑚樹(さんごじゆ)の高(たか)さ二尺(にしやく)なるを賜(たま)ふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
僧堂を辭し去る朝(あした)、大空は灰色の紗(うすぎぬ)を被せたる如くなりき。岸には腕たしかなる漕手(こぎて)幾人か待ち受け居て、一行を舟に上らしめたり。
霞のかかったような瞳(め)がもどかしく、パチパチ瞬きしたが、でもやっぱり紗(うすもの)を透(とお)したようにしか写らなかった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
それは恰度薄い紗(きれ)に冷たいアルコールを浸して身体の一部を拭いたあとのやうに山の空気は常に爽やかな幼年時代の官感を刺戟せずには措かなかつた。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見ると、濃い紫の縮緬(ちりめん)の小布だった。ふく紗(さ)にしては、耳縫(みみぬ)いがないのである。何かつつんであるので、開けて見ると、何と、琴の爪が一つ。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紗(きぬ)の鞍帊(くらおほひ)
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
花嫁は羞(はず)かしさのために顔をかくし、さらに自分全体を包み隠してくれる紗(ベール)をさがしているというような場面を想像しました。
たとえば、緑柱玉の輝きを紗(ヴェール)を透(すか)してながめたような、淡いあわい海緑色(ヴェル・マレエ)の、それ自体、冷涼たる輝きをもった……ヤヌッセンが Béryl(ベリイル) と呼んでいるある異様な微光だった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)