“うすぎぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウスギヌ
語句割合
薄衣38.9%
薄絹27.8%
11.1%
羅衣8.3%
薄帛5.6%
紗絹2.8%
綉羅2.8%
2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尼達の饒舌しやべるのを聞いて、偸目ぬすみめをして尼達の胸の薄衣うすぎぬき掛かつてゐる所をのぞいてゐたことは幾度いくたびであらう。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
どうやら渡り終った所でその二人は荷物をおろした。私はその人々に礼物としてチベット流のカタというものをった。これは白い薄絹うすぎぬです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
うつるにつれて黄蝋の火は次第にすみにおかされて暗うなり、燭涙しょくるいながくしたたりて、ゆかの上にはちぎれたるうすぎぬ、落ちたるはなびらあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
羅衣うすぎぬの花模様を焼きつけ
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
外出には、下人たちの見ぬ様に、笠を深々とかずき、其下には、更に薄帛うすぎぬを垂らして出かけた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
朝なお早ければちまたはまだ往来ゆきき少なく、朝餉あさげの煙重く軒より軒へとたなびき、小川の末は狭霧さぎり立ちこめて紗絹うすぎぬのかなたより上り来る荷車にぐるまの音はさびたるちまたに重々しき反響を起こせり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そのあなたを私が想うようになりました、ある晩、暗い所で、あなたをお待ちしていて、綉羅うすぎぬ銭篋ぜにばこを差しあげますと、あなたは私に、瑇瑁たいまい脂盒べにざらをくださいました、二人の間は
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
電燈はやわらかい明りをたたえ、火鉢の火が被った白い灰の下から、うすぎぬを漏る肌の光のように、優しいあたたまりを送る時、奥さんと己とは
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)