羅衣うすぎぬ)” の例文
白い羅衣うすぎぬをまとひ白百合の造花を胸につけ雛芥子の花で飾つたボンネツトを被つたあの夜のまゝの彼女は、月の光りに酔ひ痴れたやうな放心状態のまゝ
女優 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
羅衣うすぎぬの花模様を焼きつけ
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
姿を見失ふほど淡い水色の羅衣うすぎぬの一枚まとつてゐるだけの体は、さすがに飛び跳ねでもしない限りは薄ら寒かつたのでもあらうか、岩の上に駆けあがつたかとおもふと
タンタレスの春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)