“薄紗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすしゃ23.1%
ダンテエル23.1%
ダンテール15.4%
うすもの15.4%
はくしや15.4%
ヴェール7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄紗うすしゃ唐巾とうきんで髪をとどめ、ほう(上着)は白地きんらんに紫のぬい華文けもんたもと飛龍ひりゅうをえがかせ、鳳凰靴ほうおうか(くつ)を足にはいておられる。そして、相手方の備えを見て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長謙さんは赤いギャラにしろと熱心にすすめていたが屈服しなかったのだとみえ、白いスリップに豪奢な薄紗ダンテエルを重ねていた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
うす暗い部屋の隅の、朽葉くちは色の長椅子に、白い薄紗ダンテールの服に朱鷺とき色のリボンの帯をしめた十七、八の少女が、靴の爪さきをそろえて、たいへん典雅なようすで掛けている。
もっとも深い眠りから覚めるとき、我々はなにかしら薄紗うすもののような夢を破るものである。
落穴と振子 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
されどかく端的に見たりと感じたりしわが神の、尚ほ一重の薄紗はくしやを隔てたる如き感はあらざりし、水に映りし花の、朧ろのこゝろを著けざりし乎。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
薄紗ヴェールの幕が再び次々にり上って行く。場面は、竹林を出たばかりの所で、小高い丘陵きゅうりょうの一端の感じ。遠い丘陵が幾つか連なっているのが夜空に遥かに黒く浮んで見える。——
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)