うすもの)” の例文
霞のかかったようながもどかしく、パチパチ瞬きしたが、でもやっぱりうすものとおしたようにしか写らなかった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
笠のうちこそ見物みものだと思って心配するがものはない、前半の一文字笠が、その瞬間、うすもののように透きとおって、かおが蛍の光のように蒼白あおじろく夜の色を破って透いて見えるのです。
度胆どぎもを抜かれるほど驚ろいたのは、その部屋に、かろうじて、うすものをつけた、或は、それこそ一糸もまとわぬ全裸な若い少女が二十人ほども、突然の闖入者ちんにゅうしゃ
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)