“沁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
95.5%
しみ1.6%
1.6%
しん0.5%
にじ0.5%
しむ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はあの賑やかな家や朋輩ほうばいたちの顔を思い出すと、遠い他国へ流れて来た彼女自身の便りなさが、一層心にみるような気がした。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そして、それと対照的に、ついさっき塗られたばかりらしいルージュの深紅と血潮とが、ぼーっと明るむたびに、火のように眼にしみるのだ。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
みと父の話を聞いてみると、やはり父には父の言分があるので、真向から反対はできないと云ふ気もしたのではあるが、一人になると
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
友と若き主人とは少し送らばやとてあとより追ひ來りぬ。美しく晴れたる日にて、路傍の草の露の繁き、思はず人をして秋の氣の胸にしんするごとくなるを覺えしむ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
こういった康雄の額には、汗がにじんで居た。刑事は暫らく考えて居たが、すぐには返答しかねる様子であった。
好色破邪顕正 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
或日あるひ自分は何時いつものように滑川なめりがわほとりまで散歩して、さて砂山に登ると、おもいの外、北風が身にしむのでふもとおり其処そこら日あたりのい所、身体からだのばして楽にほんの読めそうな所と四辺あたり見廻みまわしたが
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)