“しみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シミ
語句割合
汚点35.2%
汚染8.0%
8.0%
汚點7.2%
斑点6.8%
6.4%
紙魚5.3%
3.0%
2.3%
1.9%
斑點1.5%
汚斑1.5%
蠧魚1.5%
1.1%
嗜味0.8%
0.8%
衣魚0.8%
伝染0.8%
旨味0.8%
本虫0.8%
染点0.8%
浸染0.8%
至味0.4%
四味0.4%
0.4%
斑紋0.4%
染班0.4%
0.4%
滲染0.4%
肝斑0.4%
0.4%
0.4%
詩味0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吸入器、薬瓶、天井から下ってる電灯、何かこそこそ用をしている看護婦、膝の所に一つ黒い汚点しみのあるその真白な服、そして信子はじっとしていた。
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
蒼味あおみを帯びた薄明うすあかり幾個いくつともなく汚点しみのようにって、大きな星は薄くなる、小さいのは全く消えて了う。
やがて、そういう葡萄酒もまたこの街路の敷石の上にこぼされる時が、またそれの汚染しみがそこにある多くのものを赤く染める時が、来ることになっていたのである
そこには極めて鮮麗な紫色がかすれたようになって附着しているが、その色が珈琲の汚染しみになった処に這入ると急に流れ拡がって、淡い緑色に流れ出している。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「やかましいやい糸鬢いとびん野郎めッ、二分や三分の端た金にしみッたれた騒ぎ方をするな、さ、木戸銭は先にくれてやるから、こっちの対手あいての一角を出せッ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
常磐津ときわずの師匠のところへ通っている向うの子でも、仲よしの通りの古着屋の子でも、一度も自分のようなしみったれた使いに出されたことがなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
院長は汚點しみだらけの上つりを着て、口の聞きやうからが、いら/\した、物に構はないやうな、氣の置けない醫者であつた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
三年ち、五年と暮れる中には、太鼓樓から雨が漏つて、ギラ/\光る白い紙で貼つた天井には墨繪の山水か、化物の影法師のやうな汚點しみにじみ出す。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それでも、自ら責めているふうをまだ誇張して見せ、かすれたしゃくり泣きを喉から押し戻し、ひっぱたき甲斐がいのある、その醜い顔の、ぬかみたいな斑点しみを、大水おおみずで洗い落としている。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
巴里パリーの舞踏場でイボンと踊ったうるし塗靴ぬりぐつは化物のように白い毛をふき、ブーロンユの公園の草の上にヘレーネとよこたわった夏外套なつがいとうも無惨な斑点しみを生じた。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あゝい景色だとか、綺麗な色だとか、五色ごしきばかりではなくの葉の黄ばんだのも面白く、又しみだらけになったのも面白い
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其処では、慌ただしげに出入する老若の人人が、晴れたる日とは趣きの違ふ心構へで呟きを残ししみを落して変転し、空虚なる人の心を慰めもし紛らせもする。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
飛石のへりに日苔のしがみついた形、色の食い込みは紙魚しみのある一帖の古本こほんのように懐しいものである。
庭をつくる人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「どうやらここは図書庫らしい。人の気勢が感じられない。紙魚しみくさい匂いばかりが匂って来る」すなわち六感で感じたのだろう。「さあさあ、向こうの建物へ行こう」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
白き猫しみ身動みじろぐ毛のつやのしづかを霜はにくだるらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
まつぶさにしみみに見れば星雲ほしぐも微塵みぢんの光渦巻きにけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
不思議なるは自分が、この時かかる目的の為に外面そといでながら、外面に出て二歩三歩ふたあしみあしあるいて暫時しばし佇立たたずんだ時この寥々りょうりょうとして静粛かつ荘厳なる秋の夜の光景が身の毛もよだつまでに眼にしみこんだことである。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
くろずんだ土や、蒼々あおあおした水や広々した雑木林——関東平野を北へ北へとよこぎって行く汽車が、山へさしかかるに連れて、お島の心には、旅の哀愁が少しずつしみひろがって来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こうしたのは双方の味がよくしみて大層美味くなります。南瓜は西洋料理のパイにしたのが一番結構ですがパイの皮を作る事が面倒ですからちょいと田舎なんぞでは出来ませんけれども中身だけの料理なら例の玉子焼鍋でも出来ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かれもちふるしたかばんよ。手摺てずれもやが一めんに、しみかた樺太からふとうかぶ。汽車きしや白河しらかはいたのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
血が附いたと言つても、ほんの少しばかりなら、すぐ洗ひさへすれば、大抵は綺麗になるものだが、日が經つたり、斑點しみが大き過ぎたり、洗ふことの六づかしいものだと、切り取つて捨てるほかはない、袷一枚捨てるのは厄介だが、切り取つた小さいきれなら、どこへでも捨てられる
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
平次はもう一度家の中に入ると、お通夜の衆に交つて四方を眺めて居りましたが、部屋の隅にある古箪笥ふるだんすに眼をつけるとそつと立ち上がつて、その上の何やら斑點しみのあるのを透して見た上懷ろ紙を出して靜かに拭きました。
——それらは幾十年の寒さ暑さにって、壁体の上には稲妻のようなひびが斜めにながく走り、雨にさんざんにうたれては、一面に世界地図のような汚斑しみがべったりとつき、見るからにゾッとするような陰惨いんさん邸宅ていたくだった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから不図思ひ出したやうに机の上を拭き出すと、机の汚斑しみが気にかかり出した。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)
刹那せつな』の蠧魚しみを。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
蠧魚しみに食われ、塵埃におおわれて、
胸にしみるようなわびしさだ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
ただこのからだに似げなき両眼細うして光り和らかに、さながら象の目に似たると、今にもまんずるはいの断えず口もとにさまよえるとは、いうべからざる愛嬌あいきょう滑稽こっけい嗜味しみをば著しく描きいだしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
朦朧とした写真の乾板かんぱん色の意識の板面に、真佐子の白い顔が大きく煙る眼だけをつけてぽっかり現れたり、金魚のひれだけが嬌艶きょうえんな黒斑を振り乱して宙に舞ったり、秀江の肉体の一部が嗜味しみをそそる食品のように、なまなましく見えたりした。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
浪子は実家さとにありけるころより、口にいわねどひそかにその継母のよろず洋風にさばさばとせるをあきたらず思いて、一家の作法の上にはおのずから一種古風の嗜味しみを有せるなりき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
にはか湯火たうくわねつを以てあたゝむれば人精じんせい気血きけつをたすけ、陰毒いんどく一旦いつたんとくるといへどもまつたさらず、いんやうかたざるを以て陽気やうきいたれ陰毒いんどくにくしみくさる也。
丹精たんせい日数ひかずて見事に織おろしたるを、さらしやより母が持きたりしときゝて、娘ははやく見たく物をしかけたるをもうちおきてひらき見れば、いかにしてかぜにほどなるすゝいろのしみあるをみて
其影のしみのやうに見える所を、長い間ぢつと見てゐると、ぢき側にたまの形をした栓の木の浮標が見える。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
けれども千九百二十五年の衣魚しみは舶来本の背などにも穴をあけてゐる。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しんだ銀色の衣魚しみが一つその袖から落ちました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
僕は従来衣魚しみと言ふ虫は決して和本や唐本たうほん以外に食はぬものと信じてゐた。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さて一月もたゝざるうちに近辺きんべん所々にてんぷらの夜みせいで、今は天麩羅の名油のごとく世上に伝染しみわたり、此小千谷をぢやまでもてんぷらの名をよぶ事一奇事といふべし。
さて一月もたゝざるうちに近辺きんべん所々にてんぷらの夜みせいで、今は天麩羅の名油のごとく世上に伝染しみわたり、此小千谷をぢやまでもてんぷらの名をよぶ事一奇事といふべし。
元来鱷の旨味しみあるは、既に数年前より外国の料理通の賞賛する所なれば、吾人と雖鱷を食ふ事を排斥すべきにあらず。否、吾人はこの旨味ある新食品の愈々盛んに我国に輸入せられん事を希望してまざるものなり。古来英国の貴族及び旅人りよじん埃及エジプトに於て鱷を捕へて食する事我国人の熊を捕へて食ふと異る事なし。
可哀かはいい娘が復讐の旨味しみめるのを妨げなくても好いではないか。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
京子はしきりに千世子の古い処々ところどころ本虫しみの喰った本を出してはせわしそうにくって居るのを見て、
千世子(三) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
よく伯父が云いますけど、青白い頸の細い児が本虫しみのついた古い双紙を繰りながら耳の遠い年寄のわきに笑いもしずに居るのを見るとほんとうにみじめだったってね。
蛋白石 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
からかみ染点しみまでが浅ましかった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「や!」藤吉は佐平次の裾を指さした。赤い染点しみが付いている。「そりゃあ何だ、そりゃあ?」
しかし、駆黴剤くばいざい浸染しみはかくしおおせぬ素姓をいう……、いまこの暗黒街をべる大顔役ボス二人が、折竹になに事を切りだすのだろう。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかも、歯がないせいか、顔が奇妙な提灯ちょうちんのような伸縮をして、なんとも云えぬ斑点のような浸染しみのようなもので埋まっている。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
苦中にも至味しみはある。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
至味しみを味わい得ぬ時、人は自殺する。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人生に目的ありと見、なしと見る、共に理智の作用のみ。理智のまなこ抉出けっしゅつして目的を見ざる処に、至味しみ存す。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
真砂しんしゃ四味しみを細末にして、これを蜂蜜はちみつで練って付ける、これが宜しいが、真珠は高金こうきんだから僕のような貧乏医者は買って上げる訳にいかん、それに就いてかねて申上げました此方こちらのお娘子むすめごがお美しいと云うことを
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで所々しよ/\を問ひ合せて、とう/\緋縮緬の長襦袢の背中に大きな黄色いしみの出来たのを手に入れた。さていよ/\当日になつた。最初の天一坊は頗る真面目に出来た。しかし其真面目のために茶番としての面白味ががれた。次にお軽勘平道行の場となつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
起こした体をまた横にし、雨もりの跡やらかびの跡やら、斑紋しみだらけの古襖の裾に、これだけは艶かしく置いてある、緋の胴がけの三味線へ、冷たい視線を投げてやって、九十郎はいい放した。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あのつんとすまし、ぬけぬけと白膚を天にそびえ立たしている伯母の山が、これだけは拭えぬ心の染班しみのように雪消ゆきげの形に残す。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
折目正しく整然ちゃアんとしていれば一対の夫婦でございますが、それを亭主の方で浮気のしみをつけたり、女房の方で嫉妬やきもちの焼け穴でも拵えたり何かすれば、これを離して外の裏と合せると再縁になるようのもので
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼の眼に映ツた豊艶ほうえんな花は少しづつ滲染しみが出て來るやうに思はれるのであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
といった。その師匠、顔に小さい肝斑しみが多くある人だった。永年黒御簾みす(はやし部屋)のうちにいると口も悪くなる。
噺家の着物 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
本棚のしみを防ぐ樟脳しょうのうの目にしむ如きにおいは久しくこの座敷に来なかったわたしの怠慢を詰責きっせきするもののように思われた。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しみの巣のようになっていて、古いかび臭い香もしながら字は明瞭めいりょうに残って、今書かれたとも思われる文章のこまごまと確かな筋の通っているのを読んで、実際これが散逸していたなら自分としては恥ずかしいことであるし
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
四喜臨門スウシイリンメンとかいふやうな如何いかにも詩味しみのある字句じく使つかつてあるのも面白おもしろい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)